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スペイン語には「言う」を言い換える単語がたくさんある: その2.「つけ加える/補足する」グループの単語

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おはようございます。

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

今回の投稿のテーマは、「言う」、です。

 

「言う」といっても、さまざまな表現の方法があります。

そこで、「言う」、を言い換えるための単語をまとめて紹介します。

 

 

・スペイン語で文章を書いたり、

・フォーマルな場面で話す必要がある場合、

 

「同じ事を複数の表現をつかって言い換えできる」と、

「この人は、しっかりとした書き方、話し方ができる(教養がある)人だ」

 

というポジティブな印象を周囲に与えることができます。

スペイン語の能力試験で記述式の場合、高得点(少なくとも好印象)が狙えます。

 

この記事を読んでほしい人

この記事は、一通りのスペイン語文法と使用頻度が高い基本的な単語を押さえていて、これから表現の幅を広げていこうとしている方を想定して書いています。

 

「今は、ある事を表現するのに、一つの言い方(単語)しか知らない。」

「でも、複数の言い方をできるようになりたい。」

 

そういう方に向けたメッセージです。

 

もちろん、

 

「この投稿で挙げられている言い換えの単語は全部知っている。」

「でも、いざ自分が書くとなるとパッとその場で出てこない」

 

という方にとってもこの機会に、

 

「受動的にわかる単語」から、

 

「自分が発信する際に能動的に使える単語」

 

にするきっかけになれば幸いです。

 

 

かくいう私も、スペイン語をはじめて何年か経って、やっと自分が発信するときに使える単語として定着させることができました。

 

今でも、しばらく使っていないと「パッ」と反射的に出てこないことはあります。

なので、今できないからと言って、落胆することはありません。

 

あきらめずに、インプットとアウトプットを続けること。

それ以外、非ネイティブがネイティブに近づく道はないです。

 

 

「言う」の意味でいちばん頻繁に使われる単語は、“decir”です。

 

この“decir”を言い換えるための単語をたくさん知っていれば、格調高い文章、洗練された話し方ができるようになります。

 

それでは、まず、思いつく限りの単語をならべてみたいと思います。

「言う」の意味で使える単語は他にもあります。

ただ、今回は「つけ加える/補足する」というニュアンスの単語に限定します。

 

・añadir

・agregar

・completar

 

 

今回も、ネイティブが書いた実際の文章から例を取り上げたいと思います。

まずは、"añadir" から。

 

(例文)

Kuczynski añadió que la implementación de servicios de agua potable es lo que se necesita en todo el Perú.

Fuente: AméricaTV (Perú),  13 de febrero, 2018

 

内容としては、こんな事を言っています。 

(拙訳)

ペルーのクチンスキー大統領は、「ペルー国内全域で上水道整備が必要だ」とつけ加えた。

 

出所:2018年2月13日付、AméricaTV(ペルー)

 

2016年7月に就任したクチンスキー大統領は、選挙の公約として上下水道の整備をかなり強調していた印象が残っています。

(どの候補もそうでしたが。)

 

次に、"completar" です。

(例文)

El Presidente completó que su "sueño" es que "cada argentino tenga la posibilidad de desarrollarse a partir de un buen trabajo en el lugar que haya elegido para vivir".

Fuente: Inforregión (Argentina),  9 de mayo, 2016

 

内容としては、こんな事を言っています。

(拙訳)

アルゼンチンのマクリ大統領は、「私の夢は、全てのアルゼンチン国民が、自分が住むと決めた場所で得た良い仕事を通じて成長する機会を持つことだ。」と述べた。

 

出所:2016年5月9日付、Inforregión(アルゼンチン)

 

最後に、"agregar" です。

(例文)

Evo Morales agregó que los proyectos deben partir de las bases, aún si estos no están de acuerdo a la ley, “si vamos a estar toda la vida sometidos a la ley, no se puede hacer casi nada”.

Fuente: Los Tiempos (Bolivia), 16 de diciembre, 2016

 

内容としては、こんな事を言っています。

(拙訳)

モラレス大統領は、「(国の発展のための)プロジェクトは、国民の声をベースにしたものでなければならない。たとえ、その時点では法律にそぐわなかったとしても(仕方ない)。法律に従っているばかりでは、新しい事は何もできない。」と述べた。

 

出所:2016年12月16日付、Los Tiempos(ボリビア)

 

別の構文もある

ここで挙げた例文では、

 

"añadió/completó/agregó que~"

 

という形で使われていますが、私の感覚では、

 

「"~(言った内容)"とつけ加えた」

 

つまり =  "~(言った内容)", añadió/completó/agregó.

 

という文章構造で使われているケースの方が多い印象があります。

 

例えば、"añadir" の場合、

(例文)

"Soy consciente que los resultados durante mi Gobierno de una parte fueron bien recibidos. Pero reconozco por otro lado que he defraudado también a otros compatriotas. A ellos les pido perdón de todo corazón", añadió Fujimori.

Fuente: Emol (Chile), 26 de diciembre, 2017

 

内容としては、こんな事を言っています。

(拙訳)

「私の政権中の成果の一部は評価されています。しかし、その一方で裏切ることになってしまった国民がいるのも事実です。そんな国民の皆様に心からお詫びします。」とペルーのフジモリ元大統領は述べた。

 

出所:2017年12月26日付、Emol(チリ)

 

"completar" の場合は、

(例文)

"Comencemos a trabajar entre todos, en unión, por un solo país, por la prosperidad de todos, queremos un solo país", completó Maduro.

Fuente: La Nación (Argentina), 28 de junio, 2017

 

内容としては、こんな事を言っています。

(拙訳)

「皆で力を合わせて、結束して、一つの国として、国民全員の繁栄を目指そう。ひとつにまとまった国を築こう。」とベネズエラのマドゥーロ大統領は述べた。

 

出所:2017年6月28日付、La Nación(アルゼンチン)

 

最後に、"agregar" の場合は、

(例文)

Es muy difícil definir algo que está muy fragmentado", agregó jefe de Estado.

Fuente: El Tribuno (Argentina), 17 de octubre, 2016

 

 

(拙訳)

「バラバラになっているものをこうだと評価するのは非常に難しい。」とペーニャ内閣官房長官は述べた。

 

出所:2016年10月17日付、El Tribuno(アルゼンチン)

  

最初の構文、後の構文、どちらも使われています。

なので、表現しやすい方の構文を選べばいいと思います。

 

例えば、時間がなくて、サササッと訳さないといけないとき。

発言をそのまま訳して、最後に、"añadió" とか加えるというのは、一つの手かもしれないなと記事を書きながら思いました。

 

注意事項: 

言い換え可能といっても、いつも自動的に置き換えられるという訳ではありません。

その単語がチョイスされているのには、意味的な必然性があります。

 

それぞれの単語がもつ意味に応じて、文脈に応じた最もふさわしい単語をネイティブは自然に選択しています。

 

また、書き言葉、フォーマルな場面の話し言葉では言い換えされていますが、日常会話レベルではあまり言い換えはせず、「言う」の代表格である “decir” を繰り返し使うのが普通というのが私の肌感覚です。

 

普通の会話でこういう言い換えをすると、「堅い話し方だな」、「なんか違和感がある単語のチョイスをするな」、「気取りやがって」、という印象を与えかねないです。

 

なので、インフォーマルな場面では、リラックスして代表的な "decir" を繰り返してよいと思います。

 

まとめ

以上、長くなりましたが、「言う」の言換え表現シリーズ、第2弾でした。

 

この投稿では、「つけ加える/強調する」グループの「言う」だけを取り上げました。

「言う」の類義語は他にもまだあるので、次回以降の投稿で引き続き取り上げます。

 

すべての単語を出し切ったところで、「言う」の言換え単語リストを作成します。

よく使われる順に並べ替えて、トップ10のリストを作ってみるのもいいかもしれませんね。

 

この記事があなたの参考になれば幸いです。

 

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以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。