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「ダイヤの原石」をスペイン語で何というか?:ラテンアメリカ No.1の女性作家の小説から拝借

おはようございます。

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

今回のテーマは、「ダイヤの原石」、をスペイン語で何と言うかです。

私は、この言葉を、「凄いポテンシャルを秘めた人」という意味で解釈しています。

 

「バシッ」とハマる表現は一期一会

こういう表現は、普通に辞書を探しても出てこないです。

私の場合は、スペイン語で本を読んだりしてインプットを続ける中で、偶然バッタリ見つけては、メモしています。

 

こういう表現を日常的な単語を使って説明的に言っても意味は伝わると思います。

でも、プロとしては、「カチッとハマる」ネイティブが使う表現を知っておきたいと、どうしても欲張ってしまいます。

 

最小限の言葉で、言いたいことがシッカリと伝えられるに越したことはありませんし。

 

別に、

 

"Él tiene mucho talento"

"Él es muy talentoso"

"Él tiene mucho potencial"

 

と言っても通じるんです。

 

でも、「それじゃあ、原文の良さが失われる〜」と思って悲しくなるので、こんなインプットをアホみたいに続けている訳です。

 

この記事を読んでほしい人

この記事は、スペイン語の文法と単語を一通り習得した中級者向けに書いています。

このような、「バチっとハマる」言い方を身につけて、ネイティブに近づきましょう。

 

同じ興味がある人と一緒に成長したい

冒頭でも言いましたが、こういう慣用句は辞書では見つけにくいんです。

ホントに・・・

 

だから、見つけたときにすぐ保管しないとダメです。

「あとで探そう」と思っても、絶対見つかりません。

 

こういう「かゆい所に手が届く表現」の幅を広げたい人同士で、知識を共有したいです。

みんなで一緒に成長できますからね。

 

なので、「こういう言い方もあるよ!」

 

という意見がある方!

知識の共有をお願いします!

 

ダイヤの原石 = "gema en bruto"

まず、私が持っている答えから言います。
 
「ダイヤの原石」 = “gema en bruto” 
 
 
この表現をどこから持ってきたかですが、イサベル・アジェンデ(Isabel Allende)という女性作家の小説、"El Amante Japonés”  の中で見つけました。
 

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下記が原文の抽出です。
(原文)
“(Irina) era una gema en bruto, faltaba pulirla..., y enseñarle modales como el uso apropiado de los cubiertos de la mesa..., Iba a ser fácil refinarla.”
Fuente: “El Amante Japonés", pp. 39-40, Isabel Allende, Penguin Ramdom House Grupo Editorial (México)
 
内容としては、こんなことを言っています。 
 
(拙訳)
イリーナはダイヤの原石だったが、まだ磨きをかける必要があった...ナイフやフォークの正しい使い方といったマナーも教えて...彼女を洗練させる事は簡単だろうと考えた。
 
出所:“El Amante Japonés”、39〜40頁、イサベル・アジェンデ、Penguin Ramdom House Grupo Editorial(メキシコ)
 

豆知識:イサベル・アジェンデって誰?

イサベルは、チリの作家です。
ラテンアメリカ(中南米)の代表的な作家の一人に挙げられます。
 
お父さんが外交官で、赴任先のペルーでイサベルは生まれました。
一旦チリに帰ったのですが、チリで軍事政権が始まり、イサベルは家族と一緒に身の危険を避けるため、ベネズエラに逃れます。
 
現在、イサベルはアメリカに住んでいます。
 

イサベルの小説は私の教科書

私は、イサベルの作品をスペイン語の参考書にしています。
客観的な描写がすごくいいんです。
 
・人の見た目
・人の仕草や動き
・人の心情
 
「スペイン語では、彼女と同じ描写の仕方は思いつかない」
 
といつも感心させられます。
 

イサベルの作品との想い出

あと大学の頃、初めてスペイン語の原文で一冊読み切ったのが彼女の作品でした。
その作品のタイトルは、
 
 “La Ciudad de las Bestias” です。
La Ciudad de las Bestias (Memorias del Águila y del Jaguar 1)

La Ciudad de las Bestias (Memorias del Águila y del Jaguar 1)

 

 

私はペーパーバックで読みましたが、時代はKindleなどの電子書籍でしょう。

ただ、教科書として使うならペーパーバック版をオススメします。

 
この作品は、たしか10歳以上を対象読者としていた三部作の第一部です。
 
これに続く作品は、
 
“El Reino del Dragón de Oro”
El Reino del Dragón de Oro (Memorias del Águila y del Jaguar 2)

El Reino del Dragón de Oro (Memorias del Águila y del Jaguar 2)

 

 

“El Bosque de los Pigmeos”
El Bosque de los Pigmeos (Memorias del Águila y del Jaguar 3)

El Bosque de los Pigmeos (Memorias del Águila y del Jaguar 3)

 
 
です。
 
イサベルはこの3部作で、デンマークのアンデルセン賞を受賞しています。
 

この3作品で原文を読む快感を覚えた

子供向けの本とはいえ、最初はかなり辞書を引かないといけなくて、ものすごく時間がかかりました。
 
それこそ、1ページ進むのに10分とかかかるレベルです。
全部で200ページくらいあったはずなので、読み切りには時間がかかりました。
 
「オレ、10歳レベル以下かいな」
 
とだいぶ落ち込みましたね。
 
でも、一つの作品では同じ単語が繰り返し出てくるので、途中から読むスピードが上がるということを体感できたのはよかったです。
 
スペイン語で長い文章を読むのがまだ億劫な頃は、この途中からスピードが上がる快感をよりどころに最初の50ページくらいを乗り切っていました。 
 

そして、今・・・

そして、今でも彼女の作品を読みながら、
 
「あ〜、これ日本語だと〇〇だな〜」
「でもこれ、自分の頭で考えても絶対出てこんやろな〜」
 
とか心の中でつぶやきながらメモを取ってます。
 
そんな中で、たまたま出逢えたのが、「ダイヤの原石」に該当する、
 
"gema en bruto”
 
という表現でした。
なので、皆さんにも共有させてもらった次第です。
 

英語の言い方から別の言い方を考えた

ネイティブ、しかも教養ある知識人が使っている表現なので、正しいスペイン語であることは間違いないです。
 
ただ、"gema” という単語を今までネイティブの口から聞いたことがありません。
そこで、参考までに英語での言い方を調べてみました。
 
すると、
 
“He is a diamond in the rough
“He is one in a million
 
とかいう表現が出てきました。
大谷翔平のための言葉ですね、コレは。
 
これを私は、
 
  1. “Él es un diamante en bruto
  2. “Él es un talento de millones
  3. “Él es uno en un millones
 
と訳しました。
後者の訳は、あるキューバの曲のタイトルから考えました。
 

自分が納得できる表現はどちらか?

個人的には、"gema” より "diamante” の方がシックリくる。
 
“gema” も「宝石」とかいう意味です。
その「粗いままの状態」、という意味で、”en bruto” がついています。
 
それだったら英語のように、"diamante en bruto” という方が、分かりやすいんじゃないかな〜と感じます。
 
ただ、私にとって “diamante” の方が、"gema” より分かりやすいだけなので、今度ネイティブに聞いてみたいと思います。
 

「ダイヤの原石」に関連する表現も覚えよう! 

こういう「かゆいところに手が届く」表現、大好物です。
そういう目つきで見ると、"gema en bruto” の例文の中には他にもお宝が隠れています。
 
具体的には、この3つの表現です。
 
"faltaba pulirla”
= 磨きをかける必要があった 
 
・"enseñarle modales como el uso apropiado de los cubiertos de la mesa”
= ナイフ・フォークの正しい使い方といったマナーを教える 
 
・”Iba a ser fácil refinarla”
= 彼女に磨きをかけるのは簡単だろうと考えた。
 

「磨きをかける」は、"pulir/refinar" で表現できる

“pulir” と “refinar” は、この文脈なら同じ意味で使えます。
 
前者は、「磨きをかける」という意味で、
後者は、「洗練させる」という意味ですが、言い換えが可能だと私は考えます。
 
特に、"faltaba pulir" は、「これで通じるんだな〜」と思いました。
かなり得した気分です。
 

「マナーを教える」= "enseñar modales"

“enseñar modales” は、見た事がある表現でした。
でも、「パッとは出てこないな〜」と感じました。
 
なので、「磨きをかけるために必要な要素」という括りでついでに挙げておきます。 
 

まとめ

以上、長くなりましたが、「ダイヤの原石」に該当する表現の紹介でした。  

 

この記事があなたの参考になれば幸いです。

 

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以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。