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「 頭では分かっても実際にやるのは難しい」をスペイン語で何と言うか?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

今日のテーマは、頭では分かっても実際にやるのは難しいをスペイン語で何と言うかです。
 
今回も実用例を交えて紹介します。
 
早速、私が見つけた表現を紹介します。
 
“del dicho al hecho hay mucho trecho
 
私はあまり慣用句を使わずに表現したい派です。
何かにつけて慣用句を連発する人に対する印象があんまりよくないので。
でもこの表現は、言いたいことが簡潔に伝えられる表現なので紹介したいと思いました。
 
ただ言いたいことが伝わればいいという考えであれば、
 
・“Decir y hacer son dos cosas distintas.”
・“Decir es una cosa y hacer es otra.
”Es fácil decirlo pero lo difícil es hacerlo."
 
でも、もちろん大丈夫です。
問題なく伝わります。
 

実際の使用例:ネイティブはこう使っている

では、実用例とともに紹介していきます。

今回の例文は、ペルーの教育政策に関する論文のタイトルです。
例文
Del dicho al hecho hay mucho trecho: un análisis de la implementación de la Política Nacional de Educación Bilingüe Intercultural en Puno, Perú.
Fuente: (2010), GUERRERO, Gabriela. “Del dicho al hecho hay mucho trecho: un análisis de la implementación de la Política Nacional de Educación Bilingüe Intercultural en Puno, Perú. En: BENAVIDES, Martín; NEIRA, Paul (eds). Cambio y continuidad en la escuela peruana: una mirada institucional a la implementación de programas, procesos y proyectos educativos. Lima: GRADE. p. 55-118. 
 
内容はこんな感じです。
(拙訳)
言うは易し行うは難し:ペルー国プーノ州における文化間バイリンガル教育政策導入の分析
出所:同上Grupo de Análisis para el Desarrollo(ペルー)
 

ちなみに、“hay mucho trecho” の代わりに、

 

・"hay un gran trecho”

・"hay un largo techo"

 

という用例もありました。

ただ、"mucho trecho" の方が韻を踏んでいるようでリズムがいいです。

 

背景補足

ペルーにはたくさん先住民がいます。
スペイン語が公用語ですが、地方に行くとスペイン語以外の言葉が話されています。
 
プーノ州はそんなスペイン語以外の言葉が話されている代表的な地方のひとつです。
プーノにはアイマラ語を話す人が多いですが、基本的に学校での教育はスペイン語で行われます。
 
ただ、中にはスペイン語があまり達者でない子たちもいるのが実情。
そんな子どもたちの学習がちゃんと進むように、スペイン語だけではなくて、先住民の言葉でも教育をしようという訳です。
 
このような取り組みが国家政策となる背景には、「文化的な多様性を大事にしよう」という考え方が世界的に広がっていることも関係しています。
 

この表現を初めて知ったとき

この表現を初めて聞いたのは、アルゼンチンのテレビドラマでした。
 
そのタイトルは、“El hombre de tu vida” 
Telefe(というテレビ局)のドラマです。
たまたま、テレビで予告編を観て面白そうだったので、観てみました。
 
仕事をクビになった中年男性のウーゴ(主人公)が、生活のために結婚相談所に来る女性と付き合うフリをするというストーリーです。
 
お金のために女性たちを騙しているのですが、根が真面目なウーゴは、彼女たちの悩みに真摯に耳を傾けます。
そして結果的には、女性たちが自分たちが抱える悩みとの向き合い方を見つけていくという流れです。
 
主人公のウーゴ役を務めるのは、アルゼンチン人の俳優、ギジェルモ・フランチェラ(Guillermo Francella)です。
 
アルゼンチン人がどういう印象を彼に抱いているのかは知りませんが、「ユーモアがあって、一捻りある表現の仕方をするな〜」といういい印象を私は持っています。
 
ちなみに初めて観た彼の作品は、
 
“Corazón de León” 
という映画でした。
 
小人症だけど、成功したビジネスマンの主人公(レオン)が、高身長でキャリアウーマン(弁護士)の美女と恋に落ちるというストーリーです。
 
ヒロインは、社会はもちろんのこと、自分の中にある偏見と戦います。
この映画もオススメです。
 

英語の表現からバリエーションを考えてみた

英語の表現からも別の言い方を探してみました。
 

英語表現1.

下の例では、「頭では分かる」を「理論は分かる」と解釈しています。
・Even though I understand how to do it in theory, I can't do it in practice.
= Aunque entiendo cómo hacerlo en teoría, no puedo hacerlo en la práctica.
 
・This is easy to do in theory but not easy to do in practice.
= Esto es fácil de hacer en teoría, pero no es fácil de hacer en la práctica.
 

英語表現2.

この例を見ると、”teoría” を “lógica” と言い換えてもいいんじゃないかなと思います。
 
例えば、下のような感じです。
 
・“Entiendo su (la) lógica, pero es difícil hacerlo."
・“Entiendo cómo funcionan las cosas, pero es difícil hacerlo."
 

英語表現3.

次の例は、「頭で分かる」を「やるべきことは分かる」と解釈しています。 
・Even though I know what I should be doing, it is hard to put it into practice.
= Aunque sé lo que debería hacer, es difícil ponerlo en práctica.
 

英語表現4.

最後の例は、「口で言うのと実際にやるのは別物」という解釈ですね。 
Saying and doing are two different things.
= Decir y hacer son dos cosas distintas.
 

この表現がハマるシチュエーションを想定してみた

この “del dicho al hecho hay mucho trecho” が使えるシチュエーションを想定してみました。
 
まず、この記事のタイトル通り、
・「頭では分かっても実際にやるのは難しい」
・「言うのは簡単だけど、実際にやるとなったら話は別」
(まさに、例文の「言うは易し、行うは難し」の意味です。)
と言いたい場面で使えます。
 
あと私が思いついたのは、
・「アイツは口だけ、本当にやるわけじゃない」
という意味でも使えるんじゃないかという仮説です。
この使い方はネイティブとの実戦でトライして、違和感がないかどうか確認してみようと思います。
 

まとめ

この記事があなたの参考になれば幸いです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。 

 

キューバに住み込みでダンス修行したい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。