野球のスペイン語シリーズ:「スコアリングポジションにランナーを置く」をスペイン語で何と言うか?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
今回は、「スコアリングポジションにランナーを置く」をスペイン語で何と言うかを紹介したいと思います。
今回も実用例を交えつつ紹介します。
早速、私がネイティブの実用例から考えた表現案を紹介します。
・“tener un corredor en posición anotadora”
・“estar en posición anotadora”
・“encontrarse en posición anotadora”
今回はただ「スコアリングポジション」をスペイン語で言いたかっただけです。
この表現を知らなくても、「2塁か3塁(もしくは、2塁と3塁)にランナーがいる」と言えたら、スコアリングポジションにランナーがいると言うことは明らかに通じるので、それでも大丈夫です。
実用例:ネイティブはこう表現する
今回は、野球が国技であるキューバの新聞から例文を抜き出してきました。
(例文)
Dejaron a más del 75% de los corredores que encontraron en posición anotadora.
Fuente: Granma (Cuba), 2 de abril, 2018
(拙訳)
スコアリングポジションにいたランナーのうち75%以上が残塁に終わった。
出所:2018年4月2日付、Granma (Cuba)
“los corredores que encontraron en posición anotadora”
この部分が、「スコアリングポジションにランナーを置く」の参考になる部分です。
この例文から、冒頭に示した基本形にパズルをすると次のようになります。
(私の表現案)
案1. “SoftBank Hawks tiene a sus corredores en posición anotadora.”
案2. “Los corredores del SoftBank Hawks se encuentran (están) en posición anotadora.”
実況がソフトバンクのチャンスでこう言っている声が聞こえ来る気がします。
注:1つ目の案では、最初、“los corredores” と考えました。
ただ、こうするとソフトバンクが守備をしているときに、「相手チームのランナーをスコアリングポジションに背負っている」と解釈できる余地が生まれるので、“sus corredores” にして、ランナーがソフトバンクに帰属していることを明示しました。
つぶやき:文法的な疑問
疑問1と2
まず、この例文では何故、
疑問1. “se encontraron” になっていないのか分からない
疑問2. “se encontraban” じゃないのか分からない
という謎はあるんですが、私なら “se encontraban” と言うでしょう。
疑問3
あと、スコアリングポジションが単数形で、複数形(“posiciones anotadoras)になってないのも不思議ですね。
スコアリングポジションと言えば、頭の中に2塁と3塁が浮かぶはずなんですが…
こういうイメージと合わない単数複数形の使い分けはあります。
残念ながら、全部が全部、説明がつく訳じゃないです。
こんな風に頭で考えても分からない使い分けは、「そういう風に言うものだ」と開き直って、丸暗記でそのまま覚えるしかないです。
キューバのスポーツ記事は私の教科書
前に書いた記事でも話しましたが、私はキューバの書き言葉が格調高くてダイスキです。
参考記事:キューバの書き言葉は格調高い!
私はいつも参考にしています。
スポーツ記事の中でも1番記事数が多いのは、やはりキューバの国技である野球です。
で、今回の例文の引用元である Granma の野球記事は、数あるスポーツ記事の中でも、「表現がすごく的確」でありながら、ときに「比喩的な表現を効果的に使っていて深みのある文章」が多いです。
単純に用語の勉強にもなりますし、書き言葉の表現を広げるチャンスがいっぱい詰まった文章の宝庫でもあります。
キューバの野球記事の報道内容
キューバの国内リーグのシーズン中やWBCなどの国際大会の前には、頻繁に記事が更新されます。
国内リーグの場合は、試合結果とその批評はもちろんのこと、
・どのチームがプレイオフに進出するのか?
・どのチームがどの選手を補強するのか?
こんな話題を中心とした記事が出ます。
一方、WBCやカリビアンシリーズなどの国際大会の前には、
・代表チームのメンバー構成がどんな風になるのか?
・誰を代表に入れるべき or 選ぶべきでない?
・メジャーにいるキューバ人選手を招集できないのが痛手だ。
(彼らが居たら、もっといい所までイケるという本音がある。)
というような記事が増えます。
日本の野球の記事の報道内容とよく似てますね。
まとめ
この記事があなたの参考になれば幸いです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。