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「分業制が進んだ時代」「未知の領域に足を踏み込んでいる」をスペイン語で何と言うか?:大谷翔平、アメリカンリーグ週間MVP選出の波に便乗

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人のためのオンラインメディア、Study Spanishにお立ち寄り頂きありがとうございます。

 

今日のスペイン語表現

今日紹介するスペイン語の表現はこちらの2つです。

 

「分業制が進んだ時代」

「未知の領域に足を踏み込んでいる」

 

大谷翔平くんが活躍してくれるおかげので、こういう表現がネットでバンバン見つかります。

大谷くんフィーバーの波に便乗させてもらいます。

 

早速、私が見つけたネイティブの表現例から紹介します。

 

“una época especializada en roles”

分業制が進んだ時代

“estar en territorio desconocido”

未知の領域に足を踏み込んでいる

 

この記事を読んで欲しい人

スペイン語圏の顧客を抱えるビジネスパーソンです。

 

今の時代の様相、つまり「どんな分野でも分業制が進んでいて、今までの常識が通用しない時代に生きている」という雑談をビジネスの成功に繋げたいあなたに宛てて書いています。

 

なお、この記事の内容はスペイン語の基礎を習得した人向けに書いています。

そのため、細かい文法の解説などはしていません。

もし質問等あれば、コメントをお願いします。

 

こんな場面で使える表現です

太田さん、あなたは3か月前、「M菱商事テクノロジー」の海外営業部米州第二課に配属され、スペイン語圏の新規顧客の開拓を担当しています。

 

ただ、先方のトップ(カルロスさん)が気難しくて困っている。

いろんな話題を振って打ち解けようとするけど、どうも話が盛り上がらない。

 

「この人(カルロスさん)、この世の何にも興味がないんじゃないか?」と半ば諦めモードに入り始めたあなた。

 

でも、カルロスさん、実は頭がすっ飛ぶほどの野球バカでした。

頭の中は、日本からメジャーに降り立った大谷翔平くんのことで一杯です。

 

そんなカルロスさんに、野球の話… 大谷翔平の話を振ることができたら…

もう、仲良くなれること間違いなしです。

 

こんな感じで話を振れそうじゃないですか?

(あなた/太田さん)

カルロスさん、野球ってお好きですか?

 

(カルロスさんに返事をする時間を与えず)

私は死ぬほど大好きです。

キリンさんよりもゾウさんよりも好きです。

 

(カルロスさんに返事をする時間を与えず)

カルロスさん、現代の野球では「分業制が進んで」います。

我々の産業と同じですね。

 

まさに日進月歩、光の速さで色々な技術やサービスが生まています。

今までの常識が通用しない、まさに我々は「未知の領域に足を踏み込んでいる」状況です。

 

でも、我が社のテクノロジーがあれば、そんな分業制の穴を埋められます。

御社の専門性(タテの深さ)と我々のテクノロジーを駆使した関連分野の網羅性(ヨコの広さ)を組み合わせたら、欲しいものを両方カバーできる。

御社と我が社が一体となって、まさに大谷翔平くんのような「二刀流」ができるようになる組み合わせです。

 

(カルロスさん(心の声))

ナニっ!?!?!?

君がベースボールが死ぬほど好きだとは知らなかった。

オオターニサンの活躍まで押さえているなんて!!!

 

しかも、

  1. ベースボールの分業制
  2. 我々の産業分野の進歩のペース
  3. オオターニには既存の常識が通用せず、我々を未知の領域に誘う存在である

ということを絶妙に組み合わせてやがる!!!

 

しかも、オオターニサンの「二刀流」を引き合い出し、我々の弱みを彼らの強みで補うという形で「二刀流」の意味を拡大解釈しながら、しれっと自社のテクノロジーを売り込むとは…

 

クウッ…

こんな言葉遊びをする日本人、今までいなかった…

Sr. オオタ、君はいったい何者なんだ?!

 

(カルロスさん(本当の声))

分かった。決めた。

ぜひ、御社のテクノロジーをウチで使わせてくれ!

 

野球が好きなヤツに悪いやつはいなーい!

(太田さんとガッチリ握手)

 

(太田さんとガッチリ肩を組んで)

ベースボール、万歳!!!

オオターニサン、万歳!!!

 

こういう場面で使ってください。

あなたの業績、社内外での評価が高まること間違いなしです。

 

妄想に違いありませんが、この記事で一番時間とエネルギーを注いだ部分ですので、愛らしいと思って見てもらえるとウレシイで〜す。

 

大谷翔平、週間MVP選出

いや〜、我らが大谷翔平くん、やってくれましたねえ~。

バッターとピッチャー両方の成績が評価されてのリーグ週間MVP選出。

 

まだ1週間だけと言う前置きはあるかもしれません。

でも、彼を観ている人皆の胸をワクワクさせる活躍をしてくれた。

 

だからこそのMVP選出だと思います。

大谷くんの活躍は、私のような凡人の日常生活にも良い影響を与えてくれます。

関連記事:日本人選手のメジャーでの活躍は私の励み

study-spanish.hatenablog.com

 

大谷翔平に世界が注目

そして大谷くんの活躍に注目するのはアメリカだけではありません。

 

・ベネズエラ、

・ドミニカ、

・プエルトリコ、

・パナマ、

・キューバ、

・メキシコ、

 

メジャーリーガーを産出する名だたる野球大国の大手メディアも、大谷くんのMVP選出を取り上げています。

 

ベネズエラでの報道

 

ドミニカでの報道

 

プエルトリコでの報道

 

パナマでの報道

 

キューバでの報道

 

メキシコでの報道

 

それでは今日の例文の紹介に移りたいと思います。

 

実用例1:ネイティブはこう表現する

今日は例文を2つ紹介したいと思います。

1つ目の例文はキューバのオンラインニュースサイトからの抽出です。

 

タイトルは「大谷翔平が疑念を払拭し、アメリカンリーグ週間MVPに選出」です。

スペイン語原文タイトルはこれです。

“El japonés Shohei Ohtani despeja dudas y es elegido Jugador de la Semana en la Liga Americana”

 

(例文1.)

No existe ahora mismo un jugador más influyente y renovador para el juego en las Grandes Ligas que Ohtani. En una época especializada en roles y un béisbol modernizado y cambiante a la velocidad de la luz, un anacrónico japonés batea y lanza al mismo tiempo, una cosa de hace 100 años.

Fuente: Ciber Cuba (Cuba), 10 de abril, 2018

 

(内容/拙訳1.)

今大谷以上に目新しく話題を呼ぶ選手はMLBにいない。分業制が進み、光の速さで変化を遂げる現代野球の流れに逆行するように打って投げてをこなす二刀流の日本人がいる。100年前の話のようだ。

出所:2018年4月10日付、Ciber Cuba(キューバ)

 

この例文を応用してカルロスさんとの話を盛り上げるには?

コメント1.

冒頭で示した私の妄想のように、あなたがカルロスさんに対して、

「今、分業制が進んでいる時代です」と言いたい場合には、

 

“Vivimos en una época especializada en roles” とか

“Estamos en una época especializada en roles” と言い換えます。

 

コメント2.

同じくカルロスさんに「今日のテクノロジーは光の速さで変化します」と言いたい場合は、

 

“La tecnología de hoy es cambiante a la velocidad de luz” と置き換えます。

 

コメント3.

同じくカルロスさんに「大谷のような二刀流」と言いたい場合には、

 

“Un jugador como Ohtani que batea y lanza al mismo tiempo”

 

と言い換えます。

 

二刀流については、以前この記事で別の表現を取り上げました。 

関連記事:二刀流をスペイン語で何と言うか?

study-spanish.hatenablog.com

 

今日また、“batear y lanzar al mismo tiempo” という新しい表現に出会えましたね。

むしろコッチの表現の方が、非ネイティブでも思いつきやすいと思います。

 

コメント4.

この例文の “anacrónico” のピックアップは光ってますね〜。

 

「時代の流れに逆らう何か」を伝えるための形容詞として、大いに使える可能性があります。

使ってる場面を想像して、「ムフフ」って一人で笑ってしまいます。

 

実用例2:ネイティブはこう表現する

2つ目の例文を見つけた記事のタイトルは「オオタニは往年の名選手のグループに加わろうとしている」です。

 

スペイン語原文タイトルはこれです。

“El selecto grupo al que Shohei Ohtani busca ingresar”

 

この記事では過去にメジャーリーグで二刀流として活躍した選手と彼らの成績をリストアップして紹介しています。

 

(例文2.)

Ohtani tiene la oportunidad, una verdadera oportunidad, de ser nombrado tanto el Jugador de la Semana como el Lanzador de la Semana, algo que nunca antes había sucedido... estamos en territorio desconocido aquí. Nada como Ohtani ha sucedido en las Mayores... Pero es difícil comparar a Ohtani con ninguno de ellos porque jugaron en un tiempo tan diferente… No había un jugador como Ohtani.

Fuente: AlBat(USA), 10 de abril, 2018

 

(内容/拙訳2.)

大谷にはチャンスがある。本当のチャンスがある。週間最優秀バッターであると同時に最優秀ピッチャーに選ばれるチャンスだ。両方同時に選ばれた事は過去に1度もなかった。私たちは未知の領域に足を踏み込んでいる。メジャーリーグで大谷のような選手が存在したことはなかった。大谷を過去の選手と比べるのは難しい。彼らは全く違う時代にプレーした選手たちだった。

出所:2018年4月10日付、AlBat(アメリカ)

 

この例文を応用してカルロスさんとの話を盛り上げるには?(続き)

コメント1.

カルロスさんに対して「二刀流でMVPを取るなんて前代未聞だ」「大谷みたいな選手はいなかった」と言いたい場合は、

 

・“El ser nombrado tanto el Jugador como el Lanzador de la Semana es algo que nunca antes había sucedido”

・“Nada como Ohtani había sucedido”

・“No había un jugador como Ohtani”

 

と例文をほぼそのまま使えます。

 

ちなみにこの記事、この短い文章の中で「オオタニみたいな選手は今までいなかった」と何度も連呼しています。

書き手の興奮度合いが伝わってきますね。

 

コメント2.

で、その「今までの常識が通用しない」という話の流れで、「私たちは未知の領域に足を踏み込んでいる」と話がつながっていく訳です。

 

そこで、

“Estamos en territorio desconocido tanto en el béisbol como en nuestra industria”

 

と例文に一味加えると、「野球でも我々の産業でも未知の領域を生きている」というメッセージが伝えられます。

 

自分が話す場合、“Estamos en un territorio” というように “un” をつけてしまうと思います。

 

言葉で説明はできませんが、“un” ありと “un” なしでは、意味が受ける印象が少し違うと感じます。

 

まさに肌感覚レベルの話ですね。

関連記事:スペイン語の「肌感覚」を鍛える

study-spanish.hatenablog.com

 

今日の表現のおさらい

それでは今日紹介した表現を下にリストアップします。

あなたがカルロスさんに話しかけている姿を想像してください。

“Sr. Carlos”

「カルロスさん」

 

“Vivimos en una época especializada en roles”

「今、分業制が進んでいる時代です」

 

“La tecnología de hoy es cambiante a la velocidad de luz”

「今日のテクノロジーは光の速さで変化します」

 

“Es algo que nunca antes había sucedido”

「そんなこと今まで起こったことがありませんでした」

 

“Como nunca ha habido un jugador como Ohtani que batea y lanza al mismo tiempo”

「大谷のような二刀流の選手が今まで存在したことがなかったのと同じです」

 

“Estamos en territorio desconocido tanto en el béisbol como en las industrias”

「野球でも産業でも我々は未知の領域に足を踏み込んでいると言えます」

 

太田さん、こんな感じでどうですか?

カルロスさんと仲良くなれそうですか?

ぜひ、ビジネスチャンス、ゲットしてください!

 

まとめ

この記事があなたの参考になれば嬉しいです。

 

スペイン語がもっと上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、大谷翔平くんの活躍に夢心地、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。

エピローグ

この記事の構想段階で候補になっていた例文を一気に紹介します。

応用の仕方は "エロ力"を働かせて、絶賛妄想してみてください。

(例文)

Si algunos se mostraban dubitativos con el talento del prodigio japonés Shohei Ohtani en las dos primeras semanas de temporada ahora podrán creérselo.

Fuente: Ciber Cuba (Cuba), 10 de abril, 2018

(内容/拙訳)

開幕後の2週間、大谷翔平の才能に対して懐疑的だった人がいたとしたら、もう大谷の才能を確信していい。

出所:2018年4月10日付、Ciber Cuba(キューバ)

コメント

“prodigio” という単語のチョイスがいいですね。

“creérselo” を見たとき、松坂の「自信が確信に変わりました」に応用できるんじゃないかと妄想しました。

 

たったそれだけです。

ハイ、次の例文出して。

 

(例文)

Ohtani está haciendo historia… y su leyenda comienza a extenderse en Los Ángeles donde ya se habla de “Ohtani-manía”.

Fuente: Ciber Cuba (Cuba), 10 de abril, 2018

(内容/拙訳)

大谷は歴史を作っている。大谷伝説はロサンゼルスで広がり始めた。“大谷マニア” という言葉が生まれるほどに。

出所:2018年4月10日付、Ciber Cuba(キューバ)

コメント

歴史を作る= “hacer historia”

“大谷マニア” が生まれつつある。

 

ハイ、次!

(例文)

Su explosión en la campaña de MLB no me sorprendió desde el montículo y sí desde el cajón de bateo donde es mucho más difícil la adaptación para un pelotero que comienza en la liga.

Fuente: Ciber Cuba (Cuba), 10 de abril, 2018 

(内容/拙訳)

大谷のピッチャーとしての活躍には驚かなかったが、バッターとしての活躍には驚いた。メジャーでのキャリアを始めたばかりの選手にとって、バッティングへの適応はより難しい。

出所:2018年4月10日付、Ciber Cuba(キューバ)

コメント

二刀流の別の言い方が出て来ましたね。

これで3つ「二刀流」の言い方が揃いました。

  1. jugar tanto en la lomita como en el plato
  2. jugar tanto en el montículo como en el cajón de bateo
  3. batear y lanzar (al mismo tiempo)

 

関連記事:「二刀流」をスペイン語で何と言うか?

study-spanish.hatenablog.com

 

最後まで読んで頂きありがとうございました!