「今日の私があるのは〇〇のおかげ」をスペイン語で何と言うか?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
いつも、スペイン語が上手になりたい人のためのオンラインメディア、Study Spanish を読んで下さってありがとうございます。
今日の表現
今回の投稿で取り上げるスペイン語の表現は、「今日の私があるのは〇〇のおかげ」です。
早速、私がネイティブの実用例から見つけてきた表現を紹介します。
“deberle alguien todo lo que soy”
そんなに難しくないです!
こんな場面で使える
たとえば、
・何か自分が出した功績に対して表彰される
・結婚式などの人生での節目節目のシーンで誰かに感謝を伝えたい
こんな場面で使える表現だと思います。
こんな人に読んでほしい
すでにスペイン語の基礎を一通り抑えて、中級に入ったばかりの人を想定しています。
「もう日常的な言い方はできるようになった。」
「だから次は “お行儀のいいスペイン語” を話せるようになりたい」と思う人向けです。
そして何より「お世話になったあの人に、しっかりと感謝の気持ちを伝えたい」。
そんな大切な人をスペイン語圏にお持ちの方宛てに書いています。
非ネイティブのハンディ:踏める場数が圧倒的に足りない
「今日の私があるのは、〇〇さんのおかげです」という表現は日常的によく使います。
でもいざスペイン語で表現しようとしても、“パッ” とは口から出てこないですよね。
まあ、当たり前です。
縁もゆかりもない外国では、こんな表現を使う場に居合わせることが難しいから。
そういう表現を使う瞬間を “生きる” 機会がないんだから。
「今日の私があるのは、〇〇さんのおかげです」なんて教科書で習う表現じゃない。
この表現を使う場を何度も日本語で “生きた” 結果、私たちは耳から覚えるんです。
こういう場数のハンディを我々非ネイティブは乗り越えないといけません。
その表現が使われる「場」を “生きないと”(体験しないと)いけないんです。
私のように相手からアプローチをかけてもらわないと打ち解けられない人見知り人間は大きなハンディを背負うことになります。
だから、文章とばっかり対話するハメになるんですけどね。
その場数の少なさを解決するために、「妄想」することはできます。
“エロ力” を働かせて、いろんな場面を擬似的に体験する。
そうすると、「アレ、これなんて言ったらいいのかな?」という疑問が生まれます。
あとは、それを調べるだけです。
実用例:ネイティブはこう表現する
今日もキューバのグランマの文化面から例文を抜き出してきました。
トランペット界の重鎮に対するインタビュー記事です。
キューバ、トランペット界の重鎮。Urbay o el «pico de oro» de la trompeta en Cuba https://t.co/1QM0NFMVs9 Via @Granma_Digital
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年4月12日
以前の投稿でも、これと同じ記事から例文を抽出してきています。
キューバの書き言葉、私好きなんです。
関連記事:キューバの書き言葉は私の教科書
格調高くて、人の気持ちを高揚させる "エモさ" があります。
関連記事:"エモい" スペイン語
十分に焦らしたところで、今日の例文です。
(例文1.)
グランマ記者:En su formación musical, ¿qué le debe a su padre?
ウルバイ氏:A Roberto Urbay Carillo, mi viejo, le debo todo lo que soy. De él aprendí los rudimentos de la trompeta, la teoría y la práctica.
Fuente: Granma (Cuba), 5 de abril, 2018
(内容/拙訳)
グランマ記者: ミュージシャンとしての成長過程で、あなたのお父さんはどんな貢献をされましたか?
ウルバイ氏:今日の私があるのは、私の父ロベルト・ウルバイのおかげだ。彼からトランペットの基礎、理論と実践を学んだ。
出所: 2018年4月5日付、Granma(キューバ)
少し説明1.
「今日の私があるのは父のおかげ」を例文では、“Le debo todo lo que soy (a mi padre)” と言っています。
あとはこの例文の形から、感謝する対象を変えるだけです。
「今日の私があるのは “あなた” のおかげ」であれば、
“Sr. Carlos, a usted le debo todo lo que soy”
「今日の私があるのは “君” のおかげ」であれば、
“Mi amor, a ti te debo todo lo que soy”
と相手を入れ替えるだけです。
少し説明2.
「トランペットの基礎、理論と実践を学んだ」を例文では、
“De él aprendí los rudimentos de la trompeta, la teoría y la práctica” と言っています。
この部分はトランペットに限らず、いろんな分野で「〇〇から基礎を学びました」と言いたい場面で使えます。
変える部分があるとすれば、“la trompeta” だけですね。
このトランペットのところを自分が学んだこと、たとえばピアノに変えて、あとはTTP(徹底的にパクる)すれば、あなたの気持ちは100%相手に伝わります。
““De él aprendí los rudimentos del piano, la teoría y la práctica”
ピアノの場合は、このようになります。
次の例文も見てください
(例文2.)
Otros también me enseñaron mucho, como Adolfo Guzmán, Armando Romeu y Julio Gutiérrez, entre algunos músicos brillantes con quienes tuve la dicha de compartir, pero mi padre fue la base.
Fuente: Granma (Cuba), 5 de abril, 2018
他のミュージシャンからも多くを学んだ。例えば、アドルフォ・グスマン、アルマンド・ロメウ、フリオ・グティエレスなど。彼らのような素晴らしいミュージシャンたちと共に過ごせたことは幸運だった。でも、基本を学んだのは父からだった。
出所: 2018年4月5日付、Granma(キューバ)
少し説明3.
例文2. の “mi padre fue la base” は、例文1. の “de él aprendí los rudimentos” と同じ意味なので言い換えができます。
非常にシンプルな言い方です。
ゴチャゴチャ文章をこねくり回したくない人は、“mi padre fue la base” で大丈夫です。
少し説明4.
同じく例文2. の “tuve la dicha” は “tuve la suerte” と同じ意味です。
「幸運」という意味では、“dicha” も “suerte” もよく使う単語です。
ただ、ここで “dicha” と聞くと、何か “suerte” より深みが出ます。
ここはもう肌感覚レベルの話ですが。
関連記事:スペイン語の肌感覚を鍛える
キューバ・トランペット界の師匠
今回の例文の被写体は、前回までに取り上げたことがあるキューバのトランペット界の師匠、マルコス・ウルバイ氏です。
関連記事:マルコス・ウルバイ氏
例文の記事によるとキューバの芸術学校で採用されているトランペットの教え方は、このウルバイ氏が考えたものです。
まさにキューバのトランペット教育の道筋をつけた人物。
あとウルバイ先生は “La Orquesta Riverside” の元メンバーです。
1952年から5年ほど、在籍していました。
“La Orquesta Riverside” は、1950年代キューバで一番有名なグループだったそうです。
で、このオーケストラのジャンルは何だったんだろう?
知ってる方教えてください!
まとめ
この記事があなたの参考になれば嬉しいです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
もっと “エモーショナル” なスペイン語が話せるようになりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、 スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。