「正当なリーダーとして認められる」をスペイン語で何と言うか?:キューバのカストロ時代の終わりに便乗
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
スペイン語が上手になりたい人のためのオンラインメディア、Study Spanish を読んで下さってありがとうございます。
今日のスペイン語
今日のスペイン語表現は、「正当なリーダーとして認められる」をスペイン語で何と言うかです。
早速、私が見つけてきたネイティブの表現を紹介します。
“forjar una legitimidad”
こんな場面で使える
今日の表現はこんなシチュエーションで使えます。
・あるポストに新しい誰かが就任する
・ただ、その新任者が実績やカリスマ性の面で前任者に劣る
・就任後の努力で、部下から正当なリーダーであると認められないといけない
ネイティブはこう表現する
今日の例文は、キューバの新大統領誕生を報道するペルーの新聞から抜き出してきました。
キューバで新大統領が誕生。
— study-spanish (@studyspanishjp) April 20, 2018
1959年からのカストロ時代が終焉した。
世界史の教科書に載るくらいの歴史的な転換期。
俺もスゴい時代に生を受けたんだな〜https://t.co/tBUX2AFqsd
こちらが例文です。
(例文)
A cargo de liderar una transición histórica en un primer mandato de cinco años, será el primer líder cubano nacido después de la revolución de 1959 y tendrá que forjar una legitimidad que fue natural en los Castro.
Fuente: El Comercio (Perú), el 19 de abril, 2018
(内容/拙訳)
5年の任期の中で、キューバの歴史的な転換をリードすることになるディアスカネル大統領は、1959年の革命後に生まれた(革命に参加していない)初めての大統領となる。同大統領はカストロ兄弟とは違い、正当なリーダーとして認められるところから始めなければならない。
出所:2018年4月19日付、El Comercio (Perú)
例文のココがイイ!
ひと味違う動詞のチョイス
例文では、“tendrá que forjar una legitimidad” と言っています。
この “forjar” のチョイスがイイんです。
・“ganar legitimidad”
・“buscar legitimidad”
・“obtener legitimidad”
・“ser reconocido legítimo”
って言っても良いんですが、こういう表現って普通すぎる。
普通に考えても出てきそうな感じなんです。
だから、“エモさ” が足りない。
何かすごく特別な出来事を説明しているのに、その特別感に見合わない表現なんです。
(完全に私個人の「肌感覚」レベルの話です。)
関連記事:スペイン語の「肌感覚」
時事文は “エモい” 表現の宝庫
時事文は心を動かす “エモーショナル” な表現の宝庫です。
格調高くて響きがいい言い回しがたくさん詰まってます。
どんな言葉のテキストでも、時事文を例文として取り上げているのはこのためです。
時事文の中でも、特に「新しい歴史が生まれる瞬間を切り取った記事」の中に、そういう “エモい”表現がたくさん眠っていることが多いです。
時事文が “エモい” 理由
そうなるのはなぜかと言うと「新しい歴史が生まれた瞬間」に対して書き手自身の感情が動いているからです。
その書き手の感情の高まりが文章に乗り移るんです。
「こんな歴史的な出来事を他の人にも同じ温度で伝えたい。」
そんなふうに書き手の心は動かされているのです。
同じ温度で感動を伝えるためには、心の琴線に触れるような言い回しをしないといけません。
だから、普段とはちょっと違う言葉遣いになるんです。
このような人間の感情を動かすメカニズムが働くために、歴史を語る時事文は総じて “エモーショナル” なんです。
関連記事:“エモい” スペイン語
今回の例文で行けば、「1959年以降、キューバの指導者であったカストロ兄弟以外の人物が大統領になった」という書き手の心を動かすような「新しい歴史が生まれる瞬間」を切り取った記事だったということです。
時事文の欠点
でも、時事文って絶望的に退屈なんですよね。
時事に興味がない人にとっては。
私もスペイン語をはじめてから最初の数年のうちは、時事文をよく観察していました。
でも、全く楽しめはしなかったです。
読んでいても苦痛にはならなくなったのは、30になる前後くらいのときです。
このくらいの年になって初めて、政治や経済に興味を持ち出しました。
そんな私自身のほろ苦い経験もあり、このメディアでは時事文からだけではなく、幅広いテーマの中から、
・“エモい” 表現
・野球のスペイン語
・スペイン語にするのが難しい日本語
・ビジネスで使える表現
・日本の紹介に役立つ表現
などを取り上げるようにしています。
今日のおさらい
では、改めてあと20回、例文を復唱しましょう!
¡Muy bien!
よくできました 笑
まとめ
この記事があなたの参考になれば幸いです。
スペイン語がもっと上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。