「チームをけん引する/チームの原動力になる」「見慣れた光景になる」をスペイン語で何と言うか?:本田圭祐選手のメキシコでの活躍に便乗
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
今日も一歩先のスペイン語力を身に着けたい人のためのオンラインメディア、Study Spanish を読んで頂いてありがとうございます。
今回の投稿では、
「チームをけん引する/チームの原動力になる」
「見慣れた光景になる」
をスペイン語で何と言うか?を取り上げます。
ここ最近の本田圭祐選手の活躍に便乗しました。
本田、パチューカを退団か?https://t.co/0TQFWpSpQ1
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年4月21日
W杯のメンバーにぜひ入って欲しいです。
今日のスペイン語
私が見つけたネイティブの表現例はこちらです。
“El motor ofensivo del equipo fue Keisuke Honda”
=チームをけん引する/チームの原動力になる
“Se ha vuelto habitual”
=「見慣れた光景になる」
ネイティブはこう表現する
今日の例文は、本田選手の活躍を取り上げたFOX Sports の記事と本田選手が所属するパチューカの公式ツイッターから引き出してきました。
1.「チームをけん引する/チームの原動力である」
本田圭佑はパチューカをプレイオフに導く攻撃陣のけん引役。FOX SPORTSの報道。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年4月21日
Keisuke Honda se marcharía del Pachuca al término de la temporada - https://t.co/HsLJALmWOj
こちらが例文です。
(例文)
Pachuca está muy cerca de asegurar su boleto para la liguilla del Clausura 2018 con triunfos clave sobre el Puebla de 'Ojitos' Meza y el sublíder Santos Laguna en los que el motor ofensivo del equipo sin duda fue Keisuke Honda.
Fuente: Fox Sport, 19 de abril, 2018
(内容/拙訳)
プエブラ、サントス戦における勝利で、パチューカは2018年後期のプレイオフ進出まであとわずかのところまで来ている。この2試合における攻撃陣のけん引者は間違いなく本田圭祐だった。
出所:2018年4月19日付、Fox Sport
「けん引する/原動力である」の解釈
この例文では、「けん引する/原動力である」を「エンジンである」というように解釈しています。
「エンジンである」は “fue el motor ofensivo del equipo” の中に入っています。
“fue el motor” で「エンジンである」を意味します。
例文を分かりやすく分解
書き言葉なので例文の構造は複雑になっていますが、例文が正味で言いたい事は次の3つの単純な文章に置換えできます。
“Pachuca está muy cerca de pasar a la liguilla del Clausura 2018”
=パチューカは後期プレイオフ進出まであと少しのところまで来ている。
“Los triunfos sobre el Puebla y el Santos fueron claves”
=プエブラ、サントス戦での勝利は、プレイオフ進出に近づくうえで非常に大きかった。
“Keisuke Honda fue el motor ofensivo del equipo en los triunfos sobre el Puebla y el Santos”
=本田圭祐はプエブラ戦、サントス戦でパチューカの攻撃陣をけん引した。
2.「見慣れた光景になる」
パチューカの試合に日本人が応援に来るのはいつもの光景になった。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年4月21日
パチューカの公式ツイッターより https://t.co/Wj368qKMOA
(例文)
Como ya se ha vuelto habitual, nuestros amigos japoneses nos acompañaron en el Hidalgo durante el último encuentro.
Fuente: https://twitter.com/Tuzos, 17 de abril, 2018
「見慣れた光景になる」の解釈
この例文では、「見慣れた光景になる」を「習慣的になる」というように解釈しています。
「習慣的になる」は “como ya se ha vuelto habitual” の中に入っています。
“se ha vuelto habitual” が「習慣的になった」を意味します。
例文を分かりやすく分解
例文が正味で言いたい事は次の2つの単純な文章に置換えできます。
“Ya se ha vuelto habitual que nuestros amigos japoneses nos acompañen a los partidos”
=日本のアミーゴたちが観戦に来るのは見慣れた光景になった。
“En el último encuentro también nos acompañaron en el estadio”
=この前のホームでの試合にも応援に来ていた。
複雑な文章をシンプルに置き換えるメリット
スペイン語の書き言葉は複雑な文章構造になりがちです。
核として言いたいことに付属する情報を付け足していく言語だからかもしれません。
複雑な構造の文章が言わんとするところを理解するときには、上の段でお見せしたような「シンプルな文章への分解」をスペイン語でする必要があります。
シンプルな文章に置換えることができると、次のようなメリットがあります。
① ポイントが伝わりやすくなる
② 日本語に直しやすくなる
③ スペイン語での表現の幅が広がる
それぞれのポイントを説明します。
(説明のクオリティは保証できないですが。)
1. ポイントが伝わりやすくなる
複雑な文章って、いろんな情報をつめ込みすぎてるんです。
情報過多です。
情報が多すぎて、すべてをキャッチするのが大変だし、どれが一番大切な情報なのか?ということもわかりづらい。
読みながら頭を整理するのが難しくなります。
でも、シンプルな文章に分解できると、1つの文章に含まれる情報量が少なくなります。
すると、その文章のポイントが理解しやすくなります。
2. 日本語に直しやすくなる
スペイン語と日本語は違います。
例えば、スペイン語から日本語に直すとき苦労するのが、文章の構造の違いです。
(「文章の構造」は、とりあえず「言葉が出てくる順番」と理解してください。)
スペイン語で書いてある順番のとおり日本語に直そうとしても、うまく行かなくてフラストレーションがたまった経験はないですか?
こうなるひとつの原因は、スペイン語の構造を尊重し過ぎることです。
日本語本来の構造じゃなくて、全く違う言語の構造に日本語を当てはめようとするから、スラスラ日本語が出て来ないし、聞いても不自然な日本語が出てくるんです。
これがシンプルな文章であれば、スペイン語をそのまま訳して行っても自然な日本語になることが多いです。
少なくとも、複雑な書き言葉よりは。
3. スペイン語での表現の幅が広がる
複雑な文章をシンプルな文章に解体ができると、場面に応じて話し方を変えたり、話し相手によって理解しやすいように言い回しを変えることができるようになります。
昨日のサッカーの試合の内容のまとめを新聞に載せたい場合と友達同士で昨日の試合のことを話す場合とでは言い回しが全く違うはずです。
また、昨日のサッカーの試合について、サッカーに詳しい人と話す場合と小学生になったばかりの甥っ子相手に話す場合とでは、甥っ子相手の方がよりシンプルで分かりやすい話し方をするはずです。
でも、このシンプルと詰まった表現の間を行き来するのって難しいんです。
いろんな表現の仕方があるということを実際に体験することが難しいんです。
だから、たくさんの言い回しをいっぱい聞いて、「〇〇は、Aとも表現できるし、Bとも、Cとも表現できる」という引き出しを増やしていかないといけません。
シンプル&ストレートが一番
このメディア内では、格調高い表現ばかりを取りあげています。
ただそれは “エモい” 表現が求められている場面で “エモく”ありたいだけです。
関連記事:"エモい"スペイン語
いつも “エモく” ありたいと思っているわけじゃない。
そんな奴、付き合っててシンドイでしょ?
だから私は思んです。
作りこまれた美しさよりも、シンプルで相手の心にドンと響くストレートな言い方をしたい。
豪勢な焼肉よりも、ご飯と漬物の方がいい。
おしゃれなソースがかかった魚よりも、塩焼や刺身の方がいい。
今日のおさらい
では、例文を50回復唱しましょう!
(1)“El motor ofensivo del equipo fue Keisuke Honda”
(2)“Se ha vuelto habitual"
無為、ビエン。
まとめ
この記事があなたの参考になれば幸いです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。