「慰留する」「戦犯」をスペイン語でなんと言う?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
Study Spanish
このブログ、Study Spanish は、スペイン語が上手になりたい人の表現力を高める参考になればという気持ちで運営しています。
特に、私のように日本育ちでスペイン語とは縁もゆかりもないけど、「スペイン語をネイティブのように話せるようになりたい」という情熱がある方に向けて書いています。
今日のスペイン語
本日紹介する表現は次の2つです。
・残留を希望する(慰留する)
・戦犯
ネイティブはこんなふうに表現します。
(1)残留を希望する(慰留する)
(2)戦犯
実際の使い方(ほかの単語との組み合わせ)は、下の例文で紹介します。
ダルビッシュのカブス移籍に関するメディアの報道記事です。
ダルビッシュ、ロッキーズ戦で炎上
今シーズンからシカゴ・カブスに移ったダルビッシュ。
今シーズン、ここまで未勝利です。
最新の登板は、コロラドでのロッキーズ戦でした。
ロッキーズには、メジャー最高のサードで強打者のノーラン・アレナドがいます。
ダルビッシュ、5月3日登板
ダルビッシュ、ロッキーズ戦に登板。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
4回途中6失点で負け投手。
がんばれ、ダルビッシュ。
日本人ピッチャーのキングはお前や。
期待してる。https://t.co/2PQsj1CY8z @YouTubeさんから
アレナドってどんな選手?このサイト見て。
ノーラン・アレナドってどんな選手?はこのサイトで確認。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
このサイト、メジャーリーグの野球選手の紹介が充実してる。
ようやるわ、ここまで説明をまとめるなんて。https://t.co/wNMPa3yFTs
ダルビッシュ、この試合では残念ながら、3本のホームランを浴びて4回6失点で負け投手になりました。
要注意のアレナドにも、初回にツーランを浴びました。
アレナド、ダルビッシュから先制2ラン
2年連続ホームラン王、ノーラン・アレナド(コロラド・ロッキーズ)が、ダルビッシュから先制ツーランを放つ。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
アレナド、この日ホームラン2本打ってます。
https://t.co/L5wAKP4zVP @MLBさんから
アレナドさん、今シーズン乱闘で5試合出場停止("a five-game suspension)をくらってます。
そのサスペンションから復帰後の12試合で、ホームラン6本の固め打ちです。
アレナドが5試合出場停止をくらった乱闘
ロッキーズの主砲アレナド、この乱闘で5試合の出場停止に。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
もともとはロッキーズのピッチャーがパドレスのバッターに当ててたらしい。
その報復で、アレナドにビーンボールが行った。
このメジャーの風習は無益。https://t.co/lk7tn5G0JN @MLBさんから
ダルビッシュ、制球に苦しむ
さて、我らがダルビッシュ。
この日もコントロールがイマイチでした。
ダルビッシュってもっとコントロールがよかったイメージがあるんですが…
メジャーに行ってから、なんかコントロールが安定しない。
レンジャース時代に肘を手術したあとが特にコントロールの不安定さが目立ちます。
ストレートが変に引っかかって、あられもない方向に飛んでいくことなんて日本では見た記憶がないです。
ダルビッシュって、昔からこんな症状ありました?
ボールは文句なしに良い。
コントロールさえバシッと決まれば、メジャーのバッター相手でも打たれない。
だから、問題はコントロールだけです。
ダルビッシュ、もっとできるだろ?
私は、メジャー移籍後のダルビッシュのパフォーマンスに不満です。
だって、俺らが知ってるダルビッシュは、こんなもんじゃない。
期待が大きいだけに、
・「ダルビッシュ、もっと勝てるだろ?」
・「ダルビッシュ、もっと圧倒できるだろ?」
・「もっと頑張ってくれ!」
・「サイヤングとってくれ!」
って、思ってしまいます。
家で嫁にいじめられてメンタル弱ってるのかな?とか、余計な心配してしまいます。
だからダルビッシュ、もっと活躍してくれ!
全米のアメ公どもに「ダルビッシュは凄いピッチャーだ」と結果で示してくれ。
本当は、「ダルビッシュの活躍に世界が熱狂している」という趣旨の記事から、スペイン語を紹介したいんだ!
ダルビッシュ、頼む!
こんな場面で使える
今日の表現は、
・シーズンオフの移籍市場での有力選手(チーム編成)の動き
・過去にあった大勝負での選手のパフォーマンスの評価
についてスペイン語圏の人と会話する場面で使えます。
私が元高校球児で野球好きなんで、例文の出所やテーマがどうしても野球になっていまします。
でも、チーム編成をするスポーツなら、どんな競技であっても応用がきく表現です。
・チームの編成
・選手のパフォーマンス
という観点から言えば、主語を入れ替えれば、ビジネスシーンでの応用も可能です。
(相手もスポーツに精通していることが前提条件ですが…)
ネイティブはこう表現する
今日の例文は、ダルビッシュがカブスと契約した事実を報じるロサンゼルス・タイムズのスペイン語版から抜き出してきました。
米LAタイムズ、ダルビッシュのカブス移籍を報道。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
ダルビッシュ、ワールドシリーズの戦犯扱いされているのか?https://t.co/bs8fhlB7Yr
「残留を希望」の例文
(例文1)
El lanzador Yu Darvish, quien los Dodgers esperaban retener pese a sus desastrosas actuaciones en la Serie Mundial, firmó con los Cubs de Chicago este sábado.
Fuente: LA Times (USA), 10 de febrero, 2018
(内容/拙訳1)
昨年のワールドシリーズでひどいパフォーマンスを見せたにもかかわらずドジャースが残留を希望(慰留)していたダルビッシュ有は、今週土曜日、シカゴ・カブスと契約を結んだ。
出所:2018年2月10日付、LA Times(アメリカ)
ちょっとコメント
“retener” が「引き留め」に該当します。
“esperar retener” とすることで、「引き留めを望む」となります。
この「引き留めを望む」を聞きなれた日本語に直そうとすると、
・残留を希望する
・慰留する
という言い方になります。
「戦犯」の例文
(例文2)
El villano de los Dodgers en la Serie Mundial, Yu Darvish se va con los Cubs.
Fuente: LA Times (USA), 10 de febrero, 2018
(内容/拙訳2)
昨年のワールドシリーズにおけるドジャースの戦犯、ダルビッシュ有がカブスと契約。
出所:2018年2月10日付、LA Times(アメリカ)
ちょっとコメント
“villano” って普段の会話だと「悪役」の意味で使います。
映画やドラマなどで、善良な主人公の対を成す悪い奴という意味です。
それが「戦犯」の意味でつかわれることは、この記事ではじめて知りました。
この “villano” という使い方を知らなければ、“culpable”(責任者)という表現で言い換えることも可能です。
ただし、"culpable" を使う場合は、
というように、「敗戦の責任者」と明確に言った方がいいでしょう。
今日のおさらい
それでは、今日の表現をおさらいしましょう!
野球(スポーツ)の解説者になった姿を妄想しながら、口に出して体で覚えましょう。
反復によって反射を鍛えるという意味で、語学習得はスポーツに似てます。
(1)残留を希望(慰留)する
有力選手の移籍動向について談義する場面で使えそうじゃないですか?
(2)戦犯
大舞台でたまたまやらかしてしまった選手の話をする場面で使えます。
まとめ
この記事があなたの参考になればうれしいです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、イチローが今シーズンの残り出場しないというニュースに衝撃を受けている、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。
イチロー、50まで現役とちゃうんかい!?
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
今シーズン、もうプレーしないってなんで?
プレーしないイチローなんて、嫌や!
来年は戻ってきてくれるよな?!
約束やで、イチロー。 https://t.co/3lTDZ4Rgrs
おまけの表現集
今日もおまけの野球表現集をつけます。
単語を拾ってきた元の場所は、例文1と2と同じです。
米LAタイムズ、ダルビッシュのカブス移籍を報道。
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年5月4日
ダルビッシュ、ワールドシリーズの戦犯扱いされているのか?https://t.co/bs8fhlB7Yr
・フリーエージェントの選手
= agente libre
・契約期間と契約額が最高の契約
= el trato más largo y lucrativo
・ドジャースのエース
= el as de los Dodgers
・ドジャースはカブスのオファーに並べなかった
= Los Dodgers no igualaron la oferta de Chicago
・ドジャースは年俸総額197ミリオン以下を目指している
= Los Dodgers buscan tener una nómina de menos de 197 millones
注:ここの “nómina” の使われ方に注目です。「年俸総額」と訳していますが、「支配下登録選手のメンバー編成」(その年俸総額が197ミリオン以下)とも解釈できます。
・ぜいたく税を払う
= pagar el impuesto de lujo
・来年以降
= los años venideros
・スプリングトレーニング
= entrenamientos de primavera
・ピッチャーのローテーション
= rotación
・バックアップ(要員)
= de respaldo
・肩の手術から復帰
= regresar tras su operación de hombro
・オールスターゲーム
= El Juego de Estrellas
・トレードをする
= ejecutar un traspaso
・エース級のピッチャーを獲得する
= adquirir a un lanzador estelar
・ダルビッシュの成績は4勝3敗だった
= Darvish tuvo una marca de 4-3
・防御率
= promedio de carreras permitidas, (un) ERA
・レギュラーシーズン
= la temporada regular
・ダイヤモンドバックス/カブスに勝つ
= Derrotar a los Diamondbacks
= Vencer a los Cubs
・地区シリーズ
= la Serie Divisional
・リーグチャンピオンシップ
= la Serie de Campeonato
・ワールドシリーズ
= la Serie Mundial, el Clásico de Otoño
・ダルビッシュは1失点した
= Darvish cedió una carrera
・ダルビッシュが失敗した
= Darvish fracasó
・先発登板
= apertura
・ドジャースとカブスはリーグチャンピオンシップで対決している
= Los Dodgers y los Cubs se han visto de las caras en la Serie de Campeonato
・シーズンの予想/見通し
= proyecciones analíticas
最後までお付き合い、ありがとうございます!