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「選球眼」「ボール球に手を出す」をスペイン語で何と言う?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

本日も Study Spanish 営業してます。

スペイン語が上手になりたいアナタ、ぜひ参考にしてください。

 

今日のスペイン語

はい、今日紹介するスペイン語はこの2つの野球用語です。

 

(1)選球眼

(2)ボール球に手を出す

 

ネイティブはこう表現します。

 

(1)選球眼

capacidad para discriminar lanzamientos

 

(2)ボール球に手を出す

hacerle swing a envíos fuera de la zona

 

こんな場面でつかえる

今日紹介するスペイン語、近所のラティーノとの野球談議でぜひ使ってください。

私は、キューバ人とデスパイネの話をするときに使います。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、キューバのグランマからの抜粋です。

グランマの野球記事は、野球用語の宝石箱ですね。

 

(例文)

...Frederich Cepeda en el segundo lugar entre los diez primeros en OBP. Esa posición se debe, en primer lugar, a su enorme capacidad para discriminar lanzamientos y tener la adecuada disciplina y paciencia para no desesperarse haciéndole swing a envíos fuera de la zona.

Fuente: Granma (Cuba), 15 de mayo de 2018

 

(内容/拙訳)

セペダ選手はキューバ歴代OBPランキングで第2位につけている。この順位につけている理由は、何よりセペダ選手の選球眼が非常に優れておりボール球に手を出さず、辛抱づよくいいボールを待てることにある。

出所:2018年5月15日付、Granma(キューバ)

 

1 「選球眼」

日本語だと「球を選ぶ目がある」という表現をします。

これ例文のスペイン語では、「投球を差別する能力がある」と表現してます。

 

「ボールを見分ける」の「見分ける」を “discriminar” で表現するのは意外でした。

“discriminar” は、人種や男女に対する「差別」という意味でしか使わない(組み合わせられる単語の範囲がせまい)と思ってました。

 

このブログを運営しているからこそ気づくことができた新しい単語の使い方です。

人に読んでもらえなくても、自分のスペイン語の知識だけは上がってます。笑

 

あと、編集後に気づきましたが、

 

その素晴らしい選球眼 

“esa prodigiosa visión”
 

と表現している例もありました。

 

この例をふまえると、“tener buena visión” が「選球眼がいい」の最もシンプルな言い方になります。

 

2 「ボール球に手を出す」

「ボール球に手を出す」に該当するのは、

“haciéndole swing a envíos fuera de la zona” の部分です。

 

スペイン語を分解してみると、

・“hacerle swing a envíos”

= 投球に対してスイングする = ボールを振る = ボールに手を出す

 

・“envíos fuera de la zona”

=ゾーンの外に来る投球 = ボール球

 
という解釈の流れになります。

 

ただ、この言い回しは文語的かなと感じます。

私なら “tratar de batear las bolas” とシンプルに表現します

 

3 「辛抱していいボールを待つ」

「辛抱していいボールを待つ」に該当するのは、

“tener la adecuada disciplina y paciencia para no desesperarse” の部分です。

 

ボールを待つ辛抱強さを備えるためには、

・ボール球を振らないという規律(自分のコントロール)= “disciplina”

・いい球をじっくり待つ忍耐力 = “paciencia”

 

この2つの要素が必要だと考えるキューバ人の「深層心理」が、この言葉のチョイスから感じ取れます。

 

私のようにスペイン語を変態的に考えすぎると、その単語を選んだ奥底にある意図を深追いしてしまいます。

 

ただ、深追いしても日の目を見ることはあまりないので、マネしないでください。

「スペイン語の変態」だけがやればいい行動です。

 

ちなみにこの言い回し、もっとシンプルにできます。

例文も踏まえると、次のような言い回しを思いつきます。

 

“ser disciplinado y paciente para no desesperarse”

“ser disciplinado y paciente para poder esperar un buen envío”

 

2つ目の方が、「いいボールを待つ」が明示的に出てます。

「ボール球に手を出さない」と近い関係にある表現なので、あわせてご紹介しました。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。

 

2番大谷翔平

 

いいバッターから並べていくというコンセプトはメジャーならではですね。

ヤンキース時代にカノーが2番だったのと似たような考えかな。

 

おまけの野球スペイン語

今日の例文を抜いてきた記事は野球用語がたくさん出てました。

久々におまけの野球スペイン語リストをつけます。

 

ワードの出所はココです。

 

・出塁

= embasado

 

・2400回以上出塁する

= embasarse en más de 2400 oportunidades

 

・出塁率

= promedio de embasado (OBP)

 

・フォアボールによる出塁

= bases por bolas

 

・デッドボールによる出塁

= bases por pelotazos

 

・画期的な統計

= una reveladora estadística

 

・ラインナップの組み方を変革する

= revolucionar la forma de estructurar la alineación

注目:野球のメンバー構成(布陣)も "alineación" がつかえることが確認できました。サッカーではよく使いますが、野球でつかわれてるのを見たのは今回が初めてです。

 

・メンバーの組み方を変えた

=cambió las formas de diseñar una alineación

注目:なんでこっちの例は、“las formas” で複数形?1個前の例も同じことを言ってるのに…

 

・現役プレーヤー

= jugador activo

 

・1番と2番バッター

= los dos primeros en el orden al bate

 

・効果的なので、今日では世界中で公式に使われている

= Resultó efectiva, a tal punto que hoy día es oficialmente aceptada en todos los circuitos del mundo

 

・予想どおりだった

= era de esperar

 

・極めて合理的

= tiene toda la lógica

 

・ヒット、四球、死球の数を数える

cuantificar jits, bases y pelotazos

 

・平均値を出す

convertirlos en un promedio

 

・サプライズはない

= no abundan las sorpresas

 

・統計表のトップ2に名を連ねる

= los dos nombres que encabezan las tablas estadísticas

 

・一般的に

= por regla general

 

・引退した選手

= jugadores que han pasado al retiro

 

・サンクティ・スピリトゥス州の人

= el espirituano

 

・この能力に対する評価

=el premio a esa virtud

 

・一つのフレーズに集約される

= Una frase lo resume todo

 

・例外的な人、ずば抜けた人

= un extraclase

 

・打率トップ

= puntero en average de bateo

 

・23の国際大会通算打率が4割3分8厘

promediar 438 en 23 eventos internacionales

 

・そんな実績があるキューバ人選手は他にいない

= Ningún otro jugador cubano posee tal palmarés

注目:"palmarés" が使われてることろがポイントです。

 

・リストの中で目立つ2選手

= dos nombres resaltan en la lista

 

ミートが上手だったので、2000本以上のヒットを放てた

= su buen tacto gracias a lo cual disparó más de 2000 incogibles

 

・トゥーナスのファンは屈強な一塁手ペドロソのことを忘れてないだろう

aficionados tuneros no habrán olvidado al corpulento inicialista Pedroso

注目:「一塁手」 = “inicialista” これは知りませんでした。

 

・三振が多いバッターという認識

= fama de ponchón

注目:「三振が多いバッター」= “ponchón” が初めて。

 

・ヒット以外で2200回出塁した

= llegó a primera base en más de 2200 ocasiones sin conectar jit

 

・16シーズン、5700打席で971の〇〇を得た

= recibió 971 estrucados en 16 temporadas y más de 5 700 comparecencias

注目: “estrucados” の意味が分からない。

 

・イメージほど三振は多くない

= no se ponchaba tanto como dicen

 

・マタンサスのキャッチャー

=un receptor matancero

 

・デスパイネのような生まれつきのホームランバッター

= un jonronero nato como lo es Alfredo Despaigne

 

・パワーヒッター

= los bateadores de fuerza

 

・パワーヒッターを打順の上からならべる

= jugadores con mucho poder son colocados en los primeros turnos

 

・スイングが大きい

= realizar grandes swines

 

・ボールから目を離す

quitándole la cara a la pelota

注目:「ボールから目を離すな」= “no le quites la cara de la pelota” でいいですね。

 

・三振が多い

= ponchándose con frecuencia

 

・パワーとミート力を備える

= posee potencia y tacto

 

・9打数に一度〇〇

= un estrucado por cada nueve veces oficiales al bate

 

・三振1度につき〇〇

= 1,27 transferencias por cada ponche

注目:この場合の “transferencia” ってなんだろ?

 

・2000回〇〇に入った

= 2000 oportunidades ha entrado en circulación

注目: “circulación” ってこのケースだと何かな?

 

・4000打席数

= 4000 comparecencias

 

・議論のテーマにする、言及する

= traer a colación

 

・キューバ野球の殿堂入りを果たした選手

= los jugadores que fueron exaltados al Salón de la Fama de la pelota cubana

 

・マンリケとたった3厘差で11位

=clasifica en el puesto número 11, a solo tres unidades de Manrique

注目:単位を示すときに “unidad” をつかうのは覚えないとな。

 

・24年間にわたるキューバ国内リーグでの現役時代に

En sus 24 años de permanencia en series nacionales

 

・キューバ野球に名を残すバッターのひとり

= Uno de los mejores bateadores de todos los tiempos en nuestro béisbol

 

・その他の打撃部門でとび抜けたパフォーマンスの選手たち

=jugadores de excepcional rendimiento en otros renglones de la ofensiva

 

・ストライクゾーンのボールを打ち損じない

un buen comando de la zona de strike

注目:この訳は暫定です。ピッチャーのコントロールを “comando” って言うのは聞いたことある。でも、バッターに対して使われてるのを見るのは初めて。

 

・ミート力に関して言えば

si de tacto se trata

注目:「ミート」= “tacto” も初めてですね。

 

・7592打席

= 7592 comparecencias al bate

 

・34.8打席に1回三振する

= un ponche por cada 34,8 visitas al plato

 

・ヒット

=imparables

 

・ハミルトンのOBPがそれだけ高いのはうなずける

= era lógico que Hamilton acumulara ese altísimo OBP

注目:(1)"es lógico que 仮定法" になってるところ、(2)OBPを "acumular" と組み合わせていることろ。

 

・左利き

=la mano equivocada

注目:キューバでも左利きは「よくない」と考えられていたということだと推測されます。

 

・2人目についてはたくさん書くことがある

=Del segundo es mucho lo que hay que escribir

 

・通算ホームラン数トップ

= el máximo jonronero de la historia

 

・通算フォアボール数トップ

= líder histórico en bases por bolas recibidas

 

・ボンズの記録の正当性には疑義がかけられていた

sus marcas estuvieron en entredicho

 

・薬物使用疑惑

= una acusación de ingestión de drogas

 

・2012年の474が最高の成績

= con un pico de 474 en el año 2012.

 

・よく分かると思いますが

= Como podrán observar

注目:ここを現在形と未来形にした場合のニュアンスの違いを理解して自由自在に使いこなすのは、非ネイティブには難しい。

 

編集後記

この記事いわく、バリー・ボンズはキューバ開催の1984年世界野球大会に出場した。

この時期、アメリカとキューバの関係、今以上に悪かったはず。

 

あと1994年のアトランタ・オリンピックにもキューバ代表は出場してた。

外交的には仲が悪くても、スポーツでは例外みたいだ。

 

ボンズって、MVP7回なのか。

スゲー、選手だな。

 

中日のキューバ選手発掘を森繁監督から任されているリナレス。

ミートもできてホームランも打てるバッターだったみたいですね。