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「つかみどころがない」「簡単に言葉で表現できない」をスペイン語で何と言う?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

Study Spanish は、スペイン語が上手になりたいあなたのためのブログです。

編集者のタクミが日々出会う、今すぐにでも使いたくなるスペイン語を紹介してます。

 

今日のスペイン語

この投稿では、2つの日本語にあてはまるスペイン語を紹介します。

この2つの日本語です。

 

(1)「つかみどころがない」

(2)「簡単に言葉で表現できない」

 

スペイン語がある程度のレベルにある人は、いろんな言い回しを思いつくと思います。

ただ、

 

・ネイティブらしくて、

・かつ上品な響きを出せる言い回し

 

にせっかく出会えたので、ぜひ共有したいと思いました。

(1)(2)それぞれ、こんな言い回しで表現されていました。

 

(1)つかみどころがない 

“ser inmaterial”

“ser intangible”

“ser esquivo”

 

(2)簡単に言葉で表現できない

“no se deja atrapar fácilmente por las palabras”

“no se puede sintetizar ni resumir en una frase o en un párrafo"

 

ネイティブはこう表現する

それでは例文をご紹介します。

今日の例文は、キューバ人女性の個人ブログです。

 

 

偶然出会った個人ブログの文章から紹介します。

 

まったく知らない人です。

“cubanía” という単語の意味をしらべていたら、たまたま出会っただけです。

 

文章を書くのが好きな女性ですね。

ブログのタイトル(「我書く、ゆえに我あり」)や内容からも伝わってきます。

 

こちらが例文です。

(例文)

La cubanía es sencillamente la cualidad de ser cubano, pero es algo más que un simple concepto, la cubanía es algo inmaterial e intangible, es una impresión esquiva que no se deja atrapar fácilmente por las palabras, que no se puede sintetizar ni resumir en una frase o en un párrafo. Se pueden dedicar muchos pliegos de papel e incluso escribir todo un libro acerca de lo que es la cubanía, y aún no estaría incluido en él, todo lo que este concepto abarca, la esencia misma de todo lo que es Cuba, y su gente. 

Fuente: “Escribo, Luego Existo”, 11 de abril de 2013

 

(内容)

クバニーアとは、シンプルに言えば、キューバのものである、ということを意味する。しかし、クバニーアとは単なるコンセプトの域を超えている。クバニーアには形がなく、実体がつかみづらい簡単に言葉では表現できないつかみどころがない表現だ。簡潔なフレーズや文章に要約するのは難しい。クバニーアが何かについては、何ページにもわたって書くことができる。一冊の本を書くことさえできる。ただ、そこまでしても、クバニーアのすべてを網羅することはできないだろう。クバニーアとは、キューバとキューバの人々のエッセンスのすべてだから。

出所:2013年4月11日付、“Escribo, Luego Existo”

 

「つかみどころがない」

“es algo inmaterial e intangible”

実体がなくて、実際に触れることができないものだ。

 

これが直訳です。

 

“inmaterial” とか “intangible” は、文化遺産の種類を示すときにも使われます。

ユネスコの無形文化遺産は、 “patrimonio cultural inmaterial” と呼ばれます。

 

たとえば、ダンス、祭り、儀式、などが無形文化遺産の代表例です。

キューバのダンスも、ユネスコの文化遺産に登録されてます。

 

無形文化遺産の対称にあるのが、世界文化遺産です。

世界文化遺産は、建物や文化財とか、形があるモノ(物質)です。

 

“es una impresión esquiva”

= (捉えられることを)避ける表現だ。

 

これが直訳です。

 

“impresión” となってますが、“expresión” の間違いじゃないかと思います。

“esquiva” がすごく詩的ですね。

 

メキシコにソルフアナ(Sor Juana Inés de la Cruz )という詩人がいました。

彼女の “Detente, sombra de mi bien esquivo” という有名な詩があります。

 

その詩の中の “esquivo” が「いい味」出してます。

これ以上に「いい味」出してる “esquivo” を私は知りません。

 

この詩の文学的な解説は、このサイトがしてくれてます。

(スペイン語ですが…)

 

 

ソルフアナ、そういえばメキシコの200ペソ札に載ってましたね。

この人がソルフアナです。

 

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写真から分かると思いますが、ソルフアナは修道女でした。

17世紀メキシコの瀬戸内寂聴といったところかな(笑)

 

「簡単に言葉にできない」

“no se deja atrapar fácilmente por las palabras”

= 言葉で簡単につかまえられることをさせない

 

これが直訳です。

 

“no se puede sintetizar ni resumir en una frase o en un párrafo”

= ひとつのフレーズやひとつの段落にまとめることができない

 

これが直訳です。

 

“sintetizar” と “resumir”、ふたつの単語が並んでいます。

この2つは基本的に同じ「要約」とか「まとめ」という意味です。

 

どちらも長い文章の要点を短く要約したもの(まとめ)という意味です。

あえて違いをあげるとすれば(細かいこと言うと)、

 

・“resumen” = 要約する文章の言葉をそのまま使って、要点だけを残したもの

・ “síntesis” = 要約する文章を自分の言葉で言い換えて、要点をまとめたもの

 

という違いがあるようです。

 

まあ、そんな区別がついてる人は少ないので、同義語として使って大丈夫です。

みんな同義語として使ってますから。

 

「赤信号、みんなで渡れば怖くない。」

 

文章全体がイイ

この例文まるごと参考になります。

すごくエモーショナルな言葉の流れを感じます。

 

“no se deja atrapar fácilmente por las palabras…”

 

これは、ジーンとくるエモさですね。

 

詩的です。

ポエティックです。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。