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「身をもって苦しんだ経験から/自分自身の経験から」をスペイン語でなんという?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人のためのオンラインメディア、Study Spanish

今日も知っているとすごく表現が豊かになるスペイン語を紹介します。

 

キューバの偉大なミュージシャンの伝記の中で出会った表現を紹介します。

Los Van Van の 創設者である Juan Formell の伝記です。

 

今日のスペイン語

この投稿で紹介する表現は、

 

「身をもって苦しんだ経験から」

「自分自身の経験から」

 

にあたるスペイン語です。

 

こんな表現に私は出会いました。

今日はこの表現をテーマにします。

 

身をもって苦しんだ経験から/自分自身の経験から

“porque sufrió en carne propia”

 

注:とりあえず、3人称単数(彼、彼女)が主語の前提です。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、キューバの伝説的ミュージシャン、Juan Formell の伝記です。

Los Van Van と Juan Formell を知らないキューバ人はいません。

 

 

この本からの表現は、このメディア立ち上げ当初に2回取り上げたことがあります。 

study-spanish.hatenablog.com

study-spanish.hatenablog.com

 

それでは例文を見てみましょう。

(例文)

… fue precisamente la primera persona que trató de alejarme de la música. Él sabía muy bien, porque lo había sufrido en carne propia, cómo vivía aquí el músico, y traté de que yo fuera otra cosa, quizás médico.

Fuente: "Juan Formell y los Van Van - La Leyenda -", 2015, Rafael Lam, Ediciones Cubanas, Artex, pp.15

 

(内容)

音楽から私を引き離そうとするのは父だった。父は、自分自身の経験から、キューバのミュージシャンがどんな生活をしているかをよく知っていた。だから、父は私がミュージシャン以外、たぶん医者になることを望んでいた。

出所:“Juan Formell y los Van Van - La Leyenda -", 2015, Rafael Lam, Ediciones Cubanas, Artex, pp.15

 

自分自身の経験から:“en carne propia”

今回の表現の核は、“en carne propia” です。

「自分自身の肉(肌)で」とか言う意味です。

 

辞書には載ってないみたいです。

でも、日常でかなり耳にする表現です。

 

 

これに「〜から」という因果関係を加えるのが、“porque” です。

例文では、“porque había sufrido” となってます。

 

“sufrir” になってるのは「苦しんだ」とか「苦労した」という文脈だからです。

中性的に「経験した」なら、“vivir” を当てはめても良いです。

 

“porque había vivido en carne propia” です。

時制が “había vivido” になっているのは、時制を分けてるからです。

 

Juan Formell の父親が、Juan Formell が音楽をやるのに反対する以前に、

父親自身がミュージシャンとして生きてみて、苦しむ経験をしたのです。

 

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編集後記

Juan Formell はエリート教育を受けてない

キューバ伝説のミュージシャンが、子供の頃から音楽教育を受けていなかったのはすごく意外でした。

キューバのミュージシャンのキャリアパスって、

 

・音楽一家に生まれて

・しかも、ミュージシャンが集まる地域で育って

・小学校レベルから音楽学校で教育を受けて

・その時代の人気バンドで下積みをして

・自分のバンドを組むために独立

 

というのが基本的な流れです。

今の人気ミュージシャンって、ほとんどこの流れに当てはまります。

 

Juan Formell の場合は、小学校レベルから音楽教育を受けられなかった。

ただ、「小学校レベルからの教育」以外の要素は満たしていたのは、大きかったでしょうね。

 

エリート教育を受けられなかった理由

これは、Juan Formell の父親の考え方の影響ですね。

 

・ミュージシャンになってもいいことがない

・稼ぎは安いし

・世間体があまり良くない

 

こんな理由で Juan Formell に音楽教育を受けさせなかった。

 

最後はミュージシャンになる

でも、Juan Formell には、才能と音楽に対する情熱がありました。

結局、大きくなってから Juan Formell は父から音楽の手ほどきを受けます。

 

でも、「父は教えるのが上手じゃなかった」と Juan Formell は言ってます。

この描写が面白いです。

 

・親父は、偉大なミュージシャンだったが、教えるのはあまり上手じゃなかった。

(“Francisco Formell: un gran músico, pero no muy bueno como pedagogo”)

 

・親父にとって、音楽を教えるのは、難しい戦に行くようなものだった。

(“Dar clases para él era una batalla campal”)

 

・長いファのところで、ふつうのファを出すとゲンコツをもらう

(“detrás venía el par de cocotazos”)

 

・それに加えて、こっぴどく罵倒される

(“las palabrotas en masa”)

 

キューバ人って案外スポ根

キューバ人って、案外こんなふうにスポ根な印象が私もあります。

しかも、20世紀の前半に生きていた人たちですし。

 

母ちゃんも子供に対して厳しいと聞きます。

スリッパで頭スコーンとしばかれるみたいな話も聞きますし。

 

その反面、

 

・ママが世界で一番美しいことば

・ママのこと好きじゃない人なんている?

 

っていうのも、キューバ人からは聞きますね。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。