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「決勝にふさわしい試合」をスペイン語でなんという?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

もう一段上のスペイン語使いを目指す人のためのメディア、Study Spanish

今日は、明日に迫ったロシアワールドカップ決勝、フランス vs クロアチアの試合に向けたニュースからスペイン語を紹介します。

 

今日のスペイン語

この投稿では、つぎの3つの表現を紹介します。

 

(1)「困難の中でもがんばる姿が人々の心をつかむ」

“prevalecer en medio de las dificultades gana el cariño de la gente”

 

(2)「人情でプレイを続けさせる」

dejarlos en el campo por corazón y temple”

 

(3)「決勝にふさわしい試合」

“un partido a la altura de la final"

 

注:「型」として応用しやすいように、例文からは少し形を変えています。

 

こういう日本語に “バチっ” と対応するスペイン語はなかなか見つからないです。

今日の私にはツキがありました。

 

毎日つぶさにチャンスを伺う姿勢。

スペイン語の神様が私を見ていくれているのだと思います。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、キューバのグランマからの抜粋です。

野球がスポーツの王様のキューバでも、W杯にはすごく注目が集まっています。

 

 

キューバでは、ワールドカップ全試合がテレビ中継されているそうです。

そのせいか、外でサッカーをする子供たちが増えたとか...

 

私が小学生の頃、

 

・サッカーの代表戦があるときは、サッカー

・相撲の場所があるときは、相撲

・ペナントレース中は、野球

・長野オリンピックの頃は、スケートのまね

 

こんなふうに影響を受けていたことを思い出します。

 

(1)「困難の中でもがんばる姿が人々の心をつかむ」

(例文1)

El hecho de llegar a tres prórrogas (dos tandas de penales) y prevalecer en medio de las lesiones le ha ganado el cariño de aquellos que vieron partir prematuramente a sus equipos del evento y a quienes no tienen plantel en suelo ruso.

Fuente: Granma (Cuba), 12 de juio de 2018

 

(内容)

3度の延長戦を戦い(そのうち2試合はPK)、ケガが出る中でもがんばる姿が、W杯から早々に姿を消した国やロシアの地に行けなかった国の人たちの心をつかんでいる。

出所:2018年7月12日付、Granma(キューバ)

 

ここがポイント

“prevalecer” というワードのチョイスがキモです。

“prevalecer” =「がんばる」ではないです。

 

本来の意味は、

 

・“sobresalir”

・“tener alguna superioridad o ventaja entre otras”

・“perdurar”

・“subsistir”

・“ir creciendo y aumentando”

 

とかいう意味です。

 

この辞書的な意味を踏まえると、

「がんばって勝ち抜く」という日本語が正しいかもしれません。

 

ネイティブの文章にイチャモンをつける

この例文は文法的におかしいんじゃないかなと思います。

本当なら、

 

"le ha ganado el cariño de aquellos"

 

じゃなくて、

→ "les ha ganado el cariño a aquellos"

 

もしくは、

"le ha ganado el cariño de aquellos"

 

じゃなくて、

→ "ha ganado el cariño de aquellos"

("le" をとる)

 

このどっちかになっていないといけないはず。

おそらく文章を修正する中で、修正が漏れたんだと思います。

 

何度も文章を書き直していると、性数の一致、前置詞のところでミスが出ることがあります。

「前置詞や性を元の文章のまま残していた」と言う事はよくあるミスです。

 

もしスペイン語で文章を書くことがあれば、見直しのときに注意してみてください。

私は自分で書いた長い文章のチェックをなるべく人に頼むようにしています。

 

どうしても1人でチェックをしないといけないときは、一晩寝かせてフレッシュな頭で見直しをするようにしています。

こうすることで文章のミスを減らすことは確実にできます。

 

「こいつスペイン語ができないヤツだな」と思われることを避けることができます。

 

(2)「人情でプレイを続けさせる」

(例文2)

Dejarlos en el campo por corazón y temple no puede ser visto con buenos ojos cuando se demanda un mayor rendimiento en el escenario cumbre del fútbol.

Fuente: Granma (Cuba), 12 de juio de 2018 

 

(内容)

人情で彼らをプレーさせることは、良い目ではみられないだろう。W杯決勝というサッカー最高の舞台では最高のパフォーマンスが求められるのだから。

出所:2018年7月12日付、Granma(キューバ)

 

こんな表現待ってた

毎日、いろんな書き物をチェックしたとしても...

なかなかこういう表現には出会えないです。

 

“por corazón y temple”…

絶対こんな言い回し浮かんでこないでしょ、頭に。

 

2014年チャンピオンズリーグ決勝を思い出した

この表現がよく当てはまるケースとして、チャンピオンズリーグのある試合を思い出しました。

2014年チャンピオンズリーグ決勝の、アトレティコ・マドリー vs レアル・マドリードです。

 

 

この試合、アトレティコのFW、ジエゴ・コスタが前半9分で負傷交代しました。

3人しかない交代枠を試合開始早々に失ってしまったわけです。

 

この試合、レアルが後半ロスタイムに追いついたので延長戦にもつれ込みました。

結果、4対1でアトレティコは負けました。

 

アトレティコの選手は延長で完全に足が止まってました。

いつもは走り回っているアトレティコの選手たちが、完全に走れなくなっているのが目に見えて分かりました。

 

どのタイミングで入ってきたかは覚えていませんが、レアルは途中でスピードのあるマルセロが入ってきました。

走れないアトレティコのディフェンスはボコボコにされましたね。

 

私を含め、アトレティコを応援していた人たちは全員、

 

・人情でジエゴ・コスタを先発させていなければ…

・もう1人選手を交代させて逃げ切れたんじゃないか?

 

と違う結末を想像せずにはいられなかったわけです。

 

 

ジエゴ・コスタの先発が、なぜシメオネの人情だったのかと言うと、

 

・1週間前のバルセロナ戦(リーガ優勝を決めた試合)で、ジエゴ・コスタは怪我をしていた。

・1週間で回復するケガではないと分かっていたにもかかわらず、チャンピオンズリーグ決勝で先発させた。

・ジエゴ・コスタは、このシーズンのアトレティコ躍進の原動力だった。

 

このときのアトレティコの状況が、決勝に臨むクロアチアの状況に似ているかもしれないということです。

 

・クロアチアは、モドリッチなどを中心に戦ってきている

・そのモドリッチなど中心選手は、初戦からずっと戦っている

・しかもここ3試合は、すべて延長戦まで戦っている

 

クロアチアの選手が、ジエゴ・コスタのように怪我をしているわけではないですが、さすがに疲れているはずです。

 

たしかに、

 

・これまでチームを引っ張ってきた選手たちであり

・ワールドカップの決勝、クロアチア初のワールドカップ優勝という夢がかかっている

 

・疲れているとはわかっていても、彼らを先発から外すいう判断は、戦術的にもそして心情的にも難しい

・でも、人情に流されて、疲れて動けない選手を試合に送り出すのはダメ

 

そういうことをこの表現では伝えています。

 

ちなみに私は...

人情に流されやすいタイプです。

パワプロがまだスーファミのソフトだった頃、「サクセス」というセクションがパワプロの中にありました。

 

試合が延長戦にもつれ込んで、そのとき使っていたピッチャーが工藤でした。

工藤はもうフラフラでした。

 

フレッシュのピッチャーを投入してもよかった。

でも、「ここまで来たんだから、工藤で勝ちたい」そう私は考えて、続投させました。

 

「せっかく〇〇なんだから…」

私はそういうのに弱い人間です。

 

人情という日本語を当てていますが、他にも日本語はあると思います。

意見があれば教えてください。

 

(3)「決勝にふさわしい試合」

(例文3)

...pero lo importante es que puedan regalar un espectáculo a la altura de una gran final, sin mirar el reloj más allá del minuto 90.

Fuente: Granma (Cuba), 12 de julio de 2018

 

(内容)

しかし、重要なのは決勝にふさわしい試合を見せることだ。延長戦までもつれこむことなく。

出所:2018年7月12日付、Granma(キューバ)

 

ちょっと説明

「〇〇にふさわしい」をこんなに簡単に言う方法があるのか…

 

“a la altura de” ってふつう、「~の高さで」と言う意味です。

それがこの文脈の中に置かれると、「~にふさわしい」という意味になる。

 

あきらめないのが大事

やっぱり、あきらめずに探し続けないとだめですね。

「スペイン語が上手になりたい」という気持ち、そして、上手になるためのお手本を探すことをあきらめてはいけない。

 

この気持ちをかみしめているとき、この曲が私の中で流れました。

キューバじゃないけどね。

 

 

“El que quiere puede, y el que puede se la apuesta... te aseguro que el busca encuentra”

“Bajo la tormenta” Sergio George’s Salsa Giants

 

「俺の人生このままでいいのかな...?

 

そんな疑問を抱えている...

でも、何もできずに無為に時間を過ごしてしまっている...

 

そんな30代のケツを叩くような歌詞だと思う。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

ちょっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい。

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。