「主力選手の個の力」「ここぞという場面で決定的な仕事をする」をスペイン語でなんという?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
スペイン語が上手になりたい人のサポーター、Study Spanish。
今日は「スペイン語にするのに少し困る日本語」の表現例を紹介します。
今日のスペイン語
この投稿では、つぎの2つの表現を紹介します。
私が今日の例文記事の中で出会った表現というだけで、他にも言い方はあるはずです。
(1)主力選手の個の力
= “la calidad individual de los principales jugadores”
(2)ここぞという場面で決定的な仕事をする
= “ser decisivo en el momento más oportuno”
ネイティブはこう表現する
今日の例文は、キューバのグランマからの抜粋です。
グランマではワールドカップに関する報道がかなり多いです。
なぜフランスはクロアチアに勝てたのか?
— study-spanish (@studyspanishjp) July 17, 2018
今日はここからスペイン語を紹介。
・"主力選手の個の力"
・"ここぞという場面で決定的な仕事をする"https://t.co/CbhetEgWJd Via @Granma_Digital
キューバでは全試合が放映されているそうです。
この影響を受けて、サッカーをして遊ぶ子どもたちが増えているとか。
(例文)
Porque la calidad individual de los principales jugadores franceses: Antoine Griezmann, Paul Pogba y Kylian Mbappé fue decisiva en el momento más oportuno.
Fuente: Granma (Cuba), 15 de julio de 2018
(内容)
フランスの主力選手たちの個の力:グリーズマン、ポグバ、ムバペが、ここぞという場面で決定的な仕事をした。
出所:2018年7月15日付、Granma (Cuba)
ちょっと説明
(1)「主力選手の個の力」
= “la calidad individual de los principales jugadores”
「個の力」=「個のレベル」と解釈されています。
それが、「主力選手の」で補足説明されているかたちです。
“calidad” = 「力」という日本語に訳しています。
ただ、「プレーの質」と “calidad” の意味に近づけてもいいでしょう。
私は、「個の力」があるから「プレーの質」が出るのだと突き詰めて考えました。
そして、この2つの選択肢の中から、「個の力」を選びました。
これは、南アフリカからブラジルのワールドカップまで、日本代表の選手がこの言葉を何度も口にするのを耳にして、自分の中に定着していたからだと思います。
「主力選手」については、説明は不要だと思います。
辞書の意味どおりに単語を選んでも、正しい答えが出てきます。
(2)「ここぞという場面で決定的な仕事をする」
= “ser decisivo en el momento más oportuno”
まず、「ここぞという場面で」にあたるのが、“en el momento más oportuno” です。
そして、「決定的な仕事をする」にあたるのが、“ser decisivo”。
“ser decisivo” だけでは、「決定的である」の意味しかないですよね。
そこは、文脈と主語がフランスの選手であるところから、日本語を調整しました。
・「決定的な仕事をする」
・「決定的なプレーをする」
など、補足(説明)的な日本語をあてるのがいいと思います。
ついでに覚える
つぎの3つの表現もついでに覚えてしまいましょう。
・「落ち着いていた」
・「適切である」
・「ゴールを奪い返すことができなかった」
実際の文章を交えてご紹介します。
なぜフランスはクロアチアに勝てたのか?
— study-spanish (@studyspanishjp) July 17, 2018
今日はここからスペイン語を紹介。
・"主力選手の個の力"
・"ここぞという場面で決定的な仕事をする"https://t.co/CbhetEgWJd Via @Granma_Digital
「落ち着いていた」
(おまけ1:例文)
Porque los franceses supieron conservar la calma cuando Croacia jugaba mejor en el primer tiempo.
Fuente: Granma (Cuba), 15 de julio de 2018
(おまけ1:内容)
フランスの選手たちは、前半クロアチアの方がいいプレーをしているときでも落ち着いていた。
出所:2018年7月15日付、Granma (Cuba)
「平静を保つことを知っていた」が、素のままの日本語訳になります。
これを違和感のない日本語に調整して、「落ち着いていた」としました。
“supieron conservar” という単語の組み合わせが、この文章に「格調高い響き」を与えています。
全くもって、個人的な感覚ですが。
「適切な対応をした」
(おまけ2:例文)
Porque la defensa francesa se mostró acertada en el corte final en varias jugadas organizadas por los croatas.
Fuente: Granma (Cuba), 15 de julio de 2018
(おまけ2:内容)
フランスの守備はクロアチアのプレーの最後のところを適切に切っていた。
出所:2018年7月15日付、Granma (Cuba)
ここは、“mostrarse 形容詞” の「型」に注目です。
この文章でも、「対応をした」に直接あてはまるスペイン語はありません。
ただ、「最後のカットのところで適切だった」という文脈をとらえないといけません。
この文脈までとらえると、「対応をした」という単語を補足的にくわえるのがいいという考え方もできます。
構造的にいえば、
<主語 + mostrarse + 形容詞 + en 場面> となります。
= 「主語」が「形容詞である」、「○○という場面において」、というかたちです。
「ゴールを奪い返すことができなかった」
(おまけ3:例文)
Porque Croacia no supo responder con gol tras recibir el segundo tanto de Francia.
Fuente: Granma (Cuba), 15 de julio de 2018
(おまけ3:内容)
クロアチアはフランスに2点目を取られたあとにゴールを奪い返すことができなかった。
出所:2018年7月15日付、Granma (Cuba)
「ゴールを奪い返すことができなかった」の部分は、
「ゴールで返事をすることができなかった」がもともとの意味です。
「フランスの2点目」の「目」をあらわすのに、“tanto” という単語がつかわれています。
この “tanto” はくりかえしを避けるために、かなりの頻度で出てきます。
まとめ
この記事があなたの参考になればうれしいです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい。
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。
つぶやき
私は、クロアチアに勝たせてあげたかった。
・疲れをまったく感じさせず、
・勇敢かつ大胆に戦い、
・そして、魂を見せてくれた。
たしかにフランスの方が、実力が上なことはわかった。
でも、3-1になるまでは、クロアチアの方が断然魅力的なサッカーをしてた。
<内容がいい = いい結果が出る>
この公式がいつもあてはまるわけじゃないのもスポーツ。
くわえて、自力も上回っていたフランス。
そう考えたら、フランスの勝ちも当然かもしれない。
でも、「人情的に」勝ってほしいのは、クロアチアだったな。
タクミ