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「過去から現在を理解する」をスペイン語でなんと言う?

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おはようございます。

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人の味方、Study Spanish。

今日もあなたの表現力をアップするスペイン語を紹介します。

 

今日のスペイン語

今日紹介するスペイン語はこの2つです。

中級以上の人向けの難易度です。

 

(1)「背景となった歴史を正しく理解しないとその状況は理解できない」

“no podrían comprenderse las situaciones si no nos situáramos correctamente en el escenario histórico que sirve de trasfondo”

 

注:「背景となる歴史的な舞台の中に我々が正しく身を置かなければ、その状況は理解できない」が直訳です。

 

(2)「現在は過去から理解しないといけない」

“el presente exige ser comprendido en el pasado que lo formó”

 

注:「現在は、その現在を形づくった過去のなかで理解されることが要求される」が直訳です。

 

要するに、

 

・現在は過去の延長線上にあり、つながっている

・過去が現在をつくる

・過去が現在の背景

・だから、現在は背景となる過去を知らなければ理解できない

 

こんな感じのことがいいたいのです。

ちょっとややこしい感じもしますが、格調高くて、教養が漂う表現です。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、キューバのグランマからの抜粋です。

スペイン語の表現の仕方に興味がある私にとっては、すごくエモい文章です。

 

 

でもあんまりスペイン語に興味がない人からしたら、すごく退屈な文章だと思います。

文章は美しいと思いましたが、内容はそんなに面白くないですね(笑)

 

自分で取り上げておいてめんどくさいこと言っています...

 

(例文1)

No podrían comprenderse muchas de las situaciones constitucionales del pasado si no nos situáramos correctamente en el escenario histórico que sirve de trasfondo a esas situaciones políticas y constitucionales.

Fuente: Granma (Cuba), 10 de julio de 2018

 

(内容1)

過去の憲法をとりまく状況の多くは、その政治的、憲法面の背景となった歴史を正しく理解しないと、理解できない

出所:2018年7月10日付、Granma (Cuba)

 

ここがポイント1

現在の状況を理解したいときに、その事象の、

 

・背景

・経緯

・コンテクスト

 

を理解しないといけない、ということをよく言います。

背景を理解するために必要なのが、「背景となった歴史の中に正しく身を置く」ことです。

 

日本語では「歴史」と言っていますが、これは「簡略化した訳」です。

私の日本語の限界がよく露呈されています。

 

この文章では、「歴史」= “el escenario histórico” と言っています。

この言葉のチョイスがオシャレなんです。

 

そして、“situarnos correctamente” とも言っています。

この言い回しも、オシャレです。

 

この2つのオシャレなパーツが合体して、

“situarnos correctamente en el escenario histórico” となっています。

 

この部分、“si no entendemos bien la historia que es trasfondo a…” って言っても同じです。

こんなシンプルな言い方でも十分こちらの意図は伝わります。

 

それをあえて、“situarnos en el escenario histórico” と気取っているんです。

この気取りで、文章やスピーチの格調がグッと上がります。

 

(例文2)

Por ello, todo presente exige ser comprendido en el pasado que lo formó, en la siembra que lo generó y hasta en los estímulos que pudieron provocar las reacciones de su naturaleza. En lo referente a sus orígenes hay que partir de la Carta Magna de 1215…

Fuente: Granma (Cuba), 10 de julio de 2018

 

(内容2)

だから、すべての現在は、現在を形作った過去から理解することが必要だ。現在の種がまかれたときから、現在の性質の反応を促した刺激まで。その起源については、1215年のカルタ・マグナの話からはじめなければならない。

出所:2018年7月10日付、Granma (Cuba)

 

ここがポイント2

この文章も気取った単語のチョイスが散りばめられています。

まず、“todo presente exige ser comprendido” の部分。

 

ここ、“el presente tiene que ser comprendido” でいいんです。

こねくり回さずに、シンプルな言い方がしたいのであれば。

 

そこであえて、“exigir” という動詞をチョイスしている。

ここが、1つ目の格調を醸し出しているポイントです。

 

そしてもう1つが、“el pasado que lo formó” です。

難しくない単語がならんでるんだけど、“lo formó” がオシャレ。

 

ご注意

ここで書いている「格調」とかは、すべて筆者の感覚です。

ネイティブが必ずしも同じ感覚をおぼえる訳ではないことにご留意ください。

 

ネイティブに「え〜、ちょっと違うと思う」って言われてもいいです。

私は、「こうこう、こう思う」と私の考えを主張するでしょう。

 

ネイティブの感覚がつねに正しいとは限らない。

非ネイティブだって、トレーニング次第で感覚は養えるのです。

 

ネイティブのように、無限の体験数で培われた感覚だけが頼りじゃない。

つねに考えているから、ネイティブを超える感覚が磨かれていることもあるんです。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればウレシイです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい。

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。

 

あとがき

この記事には他にもいい表現が入ってます。

その表現だけをリストアップしたものをまた投稿します。

 

「時間は未来から現在に流れている」という新しい考え方もあるようです。

これはこれで、どんなスペイン語にするか言い回しを考えないといけないですね。

 

 

 

タクミ