《とりあえず信じる》《真価が問われる》をスペイン語でなんと言う? 〜メキシコの次期大統領《アムロ》に対する投資家の懸念〜
¡Buenos días!(おはようございます)
日本時間午前9時になりました。
Study Spanishの時間です。
今日もメキシコからスペイン語の情報をお届けします。
今日のスペイン語
今回は8つスペイン語の表現をシェアします。
(この記事を読んで得られるメリットは「注」のところで説明します)
(1)立場をやや緩める
= “moderar ligeramente su posición”
注1:”moderar” と “ligeramente” がポイントです。
注2:私の言葉で説明すると ”moderar” は〈どこかの方向に行きすぎている何かを真ん中の偏ってないところにもってくる〉というイメージです。
注3:”ligeramente” は〈軽く〉〈少し〉〈気持ちばかり〉とかいうイメージです。
(2)財政面での慎重さを守る
= “adherirse a la prudencia fiscal”
注4:”adherirse” と “prudencia” がポイントです。
注5:”adherirse” は「くっつく」の意味です。何かルールなどに〈従う〉〈守る〉〈沿った形でやって行く〉という場合に使います。〈従う〉対象の前には前置詞の “a” が来ます。同じ意味の単語として、”alinearse a...” や “apegarse a...” があります。
注6:”prudencia” がポイントです。スペイン語が書き言葉になるとこういう形容名詞で文章をコンパクトにまとめようとします。自分が表現したい内容をどんな名詞を選べば伝えられるのか?これは〈見る、聞く、話す、書く、読む〉の中で感覚を育てていかないといけません。
(3)XX をきっちり管理する
= “tener una mano firme sobre la economía”
注7:“tener una mano firme” が「きっちり管理する」の意味です。きっちり管理する対象はの単語の前には前置詞の “sobre” が来きます。“mano” は単数の “una” がついています。なんで “una” が付くのか自分には説明できません。「こう言うものなんだな」とそのまま受け入れてください。
(4)XX の YY に対する能力を疑う
= “desconfiar de la capacidad del sector privado para hacer negocios de manera justa...”
注8:「疑う」が “desconfiar” です。疑う対象の単語のまえには前置詞の “de” が来ます。<XX を疑う>= “desconfiar de XX” とセットでおぼえた方がいいです。<XX の何を疑うか>を表現しないといけない場合、“desconfiar de XX para YY” と続けます。この例文の XX と YY のまとまりは下の写真のようになっています。
(5)自分や自分の能力に確固たる自信がある
= “tiene poderosas convicciones en sí mismo y en su capacidad”
注9:“convicciones” が<自信>とか<確信>です。それにしてもこの “convicciones” なんで複数形なんですかね?説明できる人いますか?自分に対する自信は複数あるもんじゃないと思うんだけど。それに対して能力 “capacidad” は単数形ですね。
(6)もしそれが全て合わさると
= “si se suma todo eso...”
注10:いくつか何かを予想するにあたって考慮する要素があったとします。<その要素すべてを考慮すると〜になる>という意味です。
(7)とりあえず信じてみる
= “los mercados le están dando el beneficio de la duda"
注11:今回のメイン表現です。英語でいうと “darle el beneficio de la duda a alguien” = “give someone the benefit of the doubt” です。だれかが主張していることを信じるか信じないか決めるときに「彼がまちがってる」という確証はないから<とりあえず信じてみるか>というニュアンスです。彼氏に浮気の疑いを感じてるけど証拠がないから<とりあえず信じる>と言ったらもっと分かりやすいと思います。
(8)真価が問われるのは困難な状況
= “la verdadera prueba se presenta cuando surgen los tiempos difíciles”
注12:今回のメイン表現です。直訳すれば<むずかしい状況があらわれたときに、真の試験が行われる>です。使い勝手がいい表現なので、文章をまるごとおぼえるとイイです。
ネイティブはこう表現する
今回の例文は全てメキシコの経済系メディア、エル・フィナンシエロからの引用です。
メキシコを中心に旬の経済ネタに詳しくなれます。
【今日のスペイン語】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月8日
1. 立場をやや緩める
2. 財政面での慎重さを守る
3. XX をきっちり管理する
4. XX の YY に対する能力を疑う
5. 自分や自分の能力に確固たる自信がある
6. もしそれが全て合わさると
7. とりあえず信じてみる
8. 真価が問われるのは困難な状況
https://t.co/bBxE441Bmo
(例文1/2)
Aunque López Obrador ha moderado ligeramente su posición izquierdista y nacionalista, prometiendo adherirse a la prudencia fiscal y respetar la independencia del banco central...
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳1/2)
ロペス・オブラドールは、財政面の慎重さや中央銀行の独立性を尊重するとして、左派ナショナリズム寄りの立場をやや緩めている。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
(例文3/4)
“Él cree que el sector público debe tener una mano firme sobre la economía y desconfía de la capacidad del sector privado para hacer negocios de manera justa y limpia”, señaló Kim Catechis de Martin Currie, una filial de la firma Legg Mason.
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳3/4)
《ロペス・オブラドールは、政府が経済をきっちり管理すべきと考えていて、民間企業には公平かつクリーンにビジネスを行う能力がないと思っている》とキム・カテチスは述べた。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
(例文5)
“Él también es un hombre que tiene poderosas convicciones en sí mismo, en su capacidad y en sus políticas.
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳5)
ロペス・オブラドールは自分自身、自分の能力、自分の政策に確固たる自信がある男だ。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
(例文6)
Si se suma todo eso se puede observar una mayor percepción de riesgo en México”.
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳6)
もしそれが全て合わされば、メキシコに対するより大きなリスクを感じる人が出て来る可能性がある。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
(例文7)
Por ahora, los mercados le están dando a López Obrador el beneficio de la duda, comentó Mario Castro de la compañía Nomura.
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳7)
《今のところマーケットはロペス・オブラドールをとりあえず信じている》と野村証券のマリオ・カストロは述べた。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
(例文8)
“La verdadera prueba se presenta cuando surgen los tiempos difíciles”.
Fuente: El Financiero (México), 5 de octubre de 2018
(訳8)
真価が問われるのは困難な状況に相対したときだ。
出所:2018年10月5日付、El Financiero(メキシコ)
まとめ
今回は8つスペイン語の表現をシェアしました。
(1)立場をやや緩める
= “moderar ligeramente su posición”
(2)財政面での慎重さを守る
= “adherirse a la prudencia fiscal”
(3)XX をきっちり管理する
= “tener una mano firme sobre la economía”
(4)XX の YY に対する能力を疑う
= “desconfiar de la capacidad del sector privado para hacer negocios de manera justa...”
(5)自分自身や自分の能力に確固たる自信がある
= “tiene poderosas convicciones en sí mismo y en su capacidad”
(6)もしそれが全て合わさると
= “si se suma todo eso...”
(7)とりあえず信じてみる
= “los mercados le están dando el beneficio de la duda”
(8)真価が問われるのは困難な状況
= “la verdadera prueba se presenta cuando surgen los tiempos difíciles”
量が多いと感じますか?
そんなに覚えられないと感じますか?
それで良いんです!
覚えられなくて忘れてしまっても。
〈記憶⇄忘却〉
その繰り返しの中で、しばらく使ってなくても忘れない記憶に変わっていきます。
スペイン語に数多く触れる中で、スペイン語の〈肌感覚〉を身につけるのが大事です。
この〈肌感覚〉が表現自体を覚えるよりもずっと重要です。
この記事があなたのスペイン語レベルUPの参考になればうれしいです。
また明日、日本時間午前9時にお会いしましょう!
¡Hasta mañana!
(また明日)
《タクミ》ってだれ?
スペイン語の静かなる変態です。
ずっとスペイン語の事を考えてます。
・もっとスペイン語が上手になりたい
・キューバに移住してダンス修行がしたい
頭の中にはこの2つしかありません。
飽き性なんですが、ハマったものに対しては静かに情熱を注ぎます。
注:この情熱を《変態性》と解釈して《スペイン語の変態》を名乗っています。ここでいう《変態性》は《情熱》とか《狂気》と同義語です。スペイン語だけでなく、ほかの外国語の変態たちを集めて《変態戦隊》を作りたいです。我こそはという方、ぜひお声がけをお願いします!
今年でスペイン語歴およそ15年。
今はスペイン語ブロガーと通訳を兼業しています。
この投稿のベースになったツイート
【日本人がスペイン語で苦労するポイント】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
未来に向けて《こんな可能性があるかもしれない》というニュアンス
“...un sinnúmero de inversionistas están preocupados por lo que él pudiera hacer...”
ネイティブの表現に触れていないとこの “pudiera” は出てこないはず
上級者でも難しい https://t.co/4K0tFB4hR4
【日本人がスペイン語で苦労するポイント】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
動詞の活用は日本人が迷うところ
例えばこの文章
なぜ “debiera” になってる?
“Para determinar si la construcción del nuevo aeropuerto internacional de la Ciudad de México debiera proceder...”
俺には分からん https://t.co/4zBMr7z28o
こういう動詞の使い方を見ると疑問が溜まる
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
・何で “debiera”?
・“debe” じゃダメ?
・その心は何?("debiera”)にするとどんなニュアンスになるん?
こんな質問に答えられるネイティブは少ない
何でそんな質問されるかも分からない 笑
ネイティブはほとんど感覚やからね https://t.co/Fj8qiHLmL0
【メキシコ🇲🇽次期大統領に対する投資家の疑念①】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
12月1日、メキシコは大統領が変わる
新大統領の通称は《アムロ》
投資家は《アムロ、本当に大丈夫か?》と心配する人がいる
TBC https://t.co/HZjIVkVBzX
【メキシコ次期大統領に対する投資家の疑念②】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
投資家が《アムロ》に不安を覚える理由がこの記事のテーマ
事実に基づいた不安は無くて《政府が経済活動に規制をかけるような行動をするんじゃないか?》という不安
アムロが前に2回出馬した際の公約をベースに心配しているだけ https://t.co/HZjIVkVBzX
【メキシコ次期大統領に対する投資家の疑念③】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
まだ投資家はアムロが何かしたわけじゃないから、心配はあるけど投資は続けるらしい
でも何か変な行動をすれば、対メキシコ🇲🇽投資が冷え込む可能性があると https://t.co/HZjIVkVBzX
【メキシコ🇲🇽次期大統領に対する投資家の疑念④】
— スペイン語の変態《タクミ》 (@studyspanishjp) 2018年10月6日
この記事で意外だったのは、投資会社のアナリストが《今後の対メキシコ投資》について話すとき、全てアムロについての《イメージ》しか言ってない事
よく《投資家心理》って言うけど、ハードなデータよりも《イメージ》で金って動くんだなあと実感 https://t.co/HZjIVkVBzX