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“トレンドから乖離することなく自分らしさを豊かにする” をスペイン語でなんと言う?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人のための仲間、Study Spanish。

今日もあなたの表現力を広げるスペイン語の言い回しを紹介します。

 

今日のスペイン語

この投稿では “トレンドから乖離することなく自分らしさを豊かにする” を取り上げます。

今日はこんな言い方に出会えました。

 

“トレンドから乖離することなく自分らしさを豊かにする”

“cultivar lo autóctono sin desvincularse de cómo está sonando el mundo”

 

・耕す

= “cultivar”

 

・独自のもの

= “lo autóctono”

 

・離れる

= desvincularse”

 

“vincularse” が「つながる」です。

その反対語です。

 

表現のポイントと応用の仕方

ビジネスでの応用が考えられます。

昔からある商品で、今も革新をつづけている。

 

革新を考えるときには、商品のコンセプトを考えます。

その商品のコンセプトが、「伝統を守りつつ、トレンドから離れない」だったら、この表現がハマります。

 

新商品の発表会で、こんなプレゼンができるんじゃないでしょうか?

 

“Nuestro nuevo producto seguirá cultivando lo autóctono de él”

=「我々の新商品は、この商品の独自性を豊かにしつづけていきます」

 

“Pero, sin desvincularse del gusto de la actualidad”

=「しかし、現在のトレンド(嗜好)から離れることはない」

 

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こんな感じの応用を妄想します。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、前々回からにつづいて、Juan Formell の伝記からの抜粋です。

何度も言いますが、Juan Formell と Los Van Van をしらないキューバ人はいません。

 

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もし知らなかったら、キューバ国籍を剥奪されるかも。

そのくらい、有名で伝説なので、みんな知っています。

 

(例文1)

El uso de sintetizadores e instrumentos electrónicos ha enriquecido la música cubana. No le ha quitado su sabor natural y con ellos sigue siendo, igualmente expresión de nuestra cultura y nuestra tierra. Hay gente que se quedó oyendo música cubana de los 50 y quiere que toquemos con La Sonora Matancera. Es imposible. A mí me encanta oír a Miguelito Cuní, pero él fue un reflejo de su época. La gente que surge ahora tiene derecho a innovar, a experimentar, a hacer lo suyo. Se puede cultivar lo autóctono sin desvincularse de cómo está sonando el mundo. En eso no hay nada de malo.

Fuente: “Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 83

 

(内容1)

シンセサイザーや電子楽器を使うことでキューバ音楽は豊かになった。それで、キューバ音楽がもともと持ち合わせる味は失われていないし、キューバの文化とキューバを表現する音楽であり続けている。50年代のキューバ音楽を聞き続けることにした人たちがいる。彼らは、自分たちにソノーラ・マタンセーラのような演奏をしてほしいと思っている。それは無理だ。私は、ミゲリート・クニを聞くのが好きだ。でも、彼は彼が生きた時代を体現した人だ。今の時代の人は、イノベーションして、試して、自分のものを作る権利がある。世界の音楽から離れることなく、自分たちのものを豊かにすることは可能だ。それ自体は悪いことじゃない。

出所:“Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 83

 

同じような表現があったので、一応紹介します。

応用する場合の参考になります。

 

(例文2)

Consideró que los jóvenes músicos, tanto de sus inicios como los de ahora, tienen derecho a experimentar, a innovar y cultivar lo autóctono sin desvincularse de lo que se hace en el mundo.

Fuente: “Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 83-84

 

(内容2)

若手のミュージシャンは、今もむかしも、試したり、刷新したり、世界のトレンドから乖離することなく、自分たち独自のモノを豊かにしていく権利がある。

出所:“Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 83-84

 

この表現もおまけで紹介

本来の味を損なっていないし、我々の文化と風土を表現している

= “No le ha quitado su sabor natural y sigue siendo expresión de nuestra cultura y nuestra tierra”

 

・味を損なう(奪う、が失われる)

= quitarle su sabor natural

 

・文化と風土を表現する

= ser expresión de nuestra cultura y nuestra tierra

 

“nuestra cultura y nuestra tierra” が “lo autóctono” の前触れになっています。

意味(論理)的につながってますね。

 

ミゲリート・クニは、彼が生きた時代を体現していた

= Miguelito Cuní, pero él fue un reflejo de su época

 

・彼が生きた時代を体現していた

= ser un reflejo de su época

 

“reflejo” =「反射」、「反映」、「写し鏡」です。

意味はスペイン語では理解できますが、日本語にするのがむずかしいですね。

 

今の時代に出てきた人には、イノベーションし、試し、自分のスタイルを築く権利がある

= La gente que surge ahora tiene derecho a innovar, a experimentar, a hacer lo suyo

 

・今の時代に出てきた人

= la gente que surge ahora

 

これは、ある時代に才能が認められ、世の中に出てきた人という意味です。

ミュージシャンの話をしています。

 

・〜する(の)権利がある

= tiene derecho a…

 

「権利がある」と言いましたが、「〜していい」くらいで解釈していいです。

「〜していい」、つまり「許可されている」→「権利がある」という解釈です。

 

・自分のスタイルを築く

= hacer lo suyo

 

「自分なりのものを作る」というニュアンスです。

ここでは、“crear su propio estilo” と同じ意味です。

 

コンテクストによっては、「自分のこと」という意味にもなります。

たとえば、“Yo ocupo del mío, tú ocúpate de lo tuyo” と言うと、

 

=「私は私のことをやるから、あなたは自分のことをして」

=「お互い介入しないで、それぞれが自分のことをしよう」

 

こんな感じの意味になります。

 

・それ自体は何も悪くない

= En eso no hay nada de malo

 

「何も悪いことはない」

= “no hay nada de malo” です。

 

まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい。

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。