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“何処と何処の国のスペイン語が似てる?” 〜現地の人たちに質問してみた〜

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人のサポーター、Study Spanish!

今日は、中南米のスペイン語の地域差をテーマにした投稿です。

 

スペイン語の差に対する中南米の人の感じ方

ここ最近、スペイン語の地域差に対する興味がまた湧いてきました。

たまたま、ある研究の結果をみつけました。

 

その研究が答えようとしていた質問がまさに、この投稿のタイトルの

 

“中南米の人たちは「どこの国のスペイン語と自分の国のスペイン語が似ている」と思っているのか?”

 

でした。

 

現地の人はどう考えている?

各国の人がどんなふうに感じているのかをまとめて紹介したいと思います。

全部で50ページ以上ありますが、言いたいことはコレ(↓)です。

 

・メキシコ人が似ていると思う国

→ グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、スペイン

 

・キューバ人が似ていると思う国

→ ベネズエラ、プエルトリコ、ドミニカ

 

・ドミニカ人が似ていると思う国

→ プエルトリコ、キューバ、ベネズエラ

 

・プエルトリコ人が似ていると思う国

→ キューバ、ドミニカ、ベネズエラ、パナマ

 

・グアテマラ人が似ていると思う国

→ メキシコ、エルサルバドル、コスタリカ

 

・エルサルバドル人が似ていると思う国

→ グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア

 

・ホンジュラス人が似ていると思う国

→ エルサルバドル、コスタリカ、グアテマラ、ニカラグア

 

・ニカラグア人が似ていると思う国

→ ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドル、コスタリカ

 

・コスタリカ人が似ていると思う国

→ コロンビア、パナマ、エルサルバドル

注:コスタリカ人は、ほかの中米の国と一緒にして欲しくないようです。他の中米の国は、ほかの中米の国と自分の国のスペイン語が似ていると感じているのに、コスタリカ人は似てないと思っています。

 

・パナマ人が似ていると思う国

→ ベネズエラ、コロンビア、コスタリカ

 

・コロンビア人が似ていると思う国

→ メキシコ、ベネズエラ、エクアドル、パナマ

 

・ベネズエラ人が似ていると思う国

→ コロンビア、パナマ

 

・エクアドル人が似ていると思う国

→ ペルー、コロンビア、ベネズエラ、ボリビア、メキシコ

 

・ペルー人が似ていると思う国

→ エクアドル、コロンビア、メキシコ

 

・ボリビア人が似ていると思う国

→ ペルー、メキシコ、エクアドル

 

・パラグアイ人が似ていると思う国

→ アルゼンチン、ウルグアイ、チリ、メキシコ

 

・チリ人が似ていると思う国

→ ペルー、ボリビア、アルゼンチン

注:”チリと同じような喋り方をする国はない” と考えているチリ人がかなりいる。

 

・アルゼンチン人が似ていると思う国

→ ウルグアイ、チリ

 

・ウルグアイ人が似ていると思う国

→ アルゼンチン

注:約90%がアルゼンチンと答えたそうです。

 

中南米のスペイン語は5つの地域に分けられる

現地の人の感覚としては、中南米のスペイン語はつぎの5つに分けられます。

 

(1)メキシコ+中米北部(グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア)

(2)中米南部(コスタリカ、パナマ)+南米北部(コロンビア、ベネズエラ)

(3)カリブ(キューバ、プエルトリコ、ドミニカ)+パナマ、コロンビア、ベネズエラ海側

(4)アンデス(エクアドル、ペルー、ボリビア)

(5)コノスール(チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ)

 

今日のスペイン語

今日はつぎの2つ、スペイン語を紹介します。

 

(1)“考慮すべき点が4つある”

“del resumen anterior se observan cuatro puntos dignos de tomar en cuenta”

 

(2)“相互性のルールに従えば/基づけば”

si nos valemos del eje de la reciprocidad, se observan ciertos conglomerados

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、上の研究結果をつづった学術論文からの抜粋です。

“論文” と聞くと構えてしまいますが、

 

・限られたスペースで

・フォーマルに響く形で

・正確に意図が伝わるように

 

書いてある文章のいい例が結構あります。

 

(例文1)

Del resumen anterior se observan cuatro puntos dignos de tomar en cuenta. En primer lugar, se cumple el principio de la proximidad.

Fuente: QUESADA PACHECO, Miguel Ángel. División dialectal del español de América según sus hablantes Análisis dialectológico perceptual. Boletín de Filología [online]. 2014, vol.49, n.2 [citado  2018-09-18], pp.257-309. Disponible en: <https://scielo.conicyt.cl/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0718-93032014000200012&lng=es&nrm=iso>. ISSN 0718-9303.  http://dx.doi.org/10.4067/S0718-93032014000200012.

 

(内容1)

上のまとめから4つ考慮すべき点が浮かび上がってくる。まずは、地理的な近さの原則だ。

 

(例文2)

Por último, si nos valemos del eje de la reciprocidad, se observan ciertos conglomerados geo-perceptuales que podrían, en principio, subdividir al continente americano en cinco regiones…

Fuente: QUESADA PACHECO, Miguel Ángel. División dialectal del español de América según sus hablantes Análisis dialectológico perceptual. Boletín de Filología [online]. 2014, vol.49, n.2 [citado  2018-09-18], pp.257-309. Disponible en: <https://scielo.conicyt.cl/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S0718-93032014000200012&lng=es&nrm=iso>. ISSN 0718-9303.  http://dx.doi.org/10.4067/S0718-93032014000200012.

 

(内容2)

最後に相互性のルールに従えば、大まかだが、アメリカ大陸を5つの地域に分けられる集合体が浮かび上がってくる。

 

おまけ

・コスタリカで連続性が途切れる

= Costa Rica rompe el ritmo de continuidad

 

・中米全域でみられた

= se venía manifestando en todo el Istmo Centroamericano

 

・ニカラグアもホンジュラスも自分の国の話し方とは似てないと感じる

= considerar el habla de los nicaragüenses ni la de los hondureños como similar a la suya propia

 

・ある意味

= en cierto sentido

 

・興味深いデータ

= un dato interesante

 

タクミ