Study Spanish!

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スペイン語で文章にリズムを出す方法

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おはようございます!

 

スペイン語変態ブロガーの<タクミ>です。

スペイン語のレベルアップにつながる考え方をまいにち発信しています。

 

今日のスペイン語

今日は何か特別なスペイン語の表現をシェアするものではないです。

スペイン語で文章にリズムを出す方法をシェアします。

 

(1) “Tenemos técnicos que triunfan en el mundo, pero no encontramos uno para que dirija el seleccionado”

 

(2) “Tenemos economistas brillantes para explicar las crisis y ninguno que las resuelva”

 

(3)“…un sinceramiento brutal, no de nuestra economía, sino de nuestra cultura como nación”

 

この記事で学べること

反対の意味のことばをならべることで、文章にリズムがうまれることを学べます。

逆に話し手の立場からみると、躍動感のある文章のつくり方が分かります。

 

具体的には、

 

・~はある、でも~はない

・~をもっている、でも~はもってない

 

こういう、

 

・<肯定>からの<否定>

・<否定>からの<肯定>

 

というながれで文章をつくります。

 

えらい人の演説などをみると、かなりこのテクニックが使われています。

実際、聞いてみると響くんですよね…これが 笑

 

Study Spanish! の想い

Study Spanish! はスペイン語の初心者のために書いています。

スペイン語のレベルアップをしたいという初心者の方むけです。

 

10年くらい前、わたしは日々のコミュニケーションには支障がないレベルにいました。

でもネイティブと仕事で同等に渡り合えるレベルにはなかったです。

 

それから少しずつ勉強を積み重ねてきて、今では通訳ができるまでになりました。

自分がやってきた勉強法をむかしの自分と同じ悩みをもつ人にシェアしたいです。

 

注:勉強法というより、<ネイティブのスペイン語のどんな所に目をつけて吸収していくのか>という<考え方>と言う方が正しいかもしれません。

 

大人になってからの外国語学習はひとりでマラソンを走るようになりがちです。

その走り方で<スペイン語ペラペラ>というゴールにたどり着けるか確信がない。

 

孤独なレースです。

努力しても結果が出るか分からないという最悪な設定です。

 

ほかの外国語を習得したことがある人なら、間違いなくたどり着けると確信できます。

でも、スペイン語がはじめて本格的にマスターする外国語だと、その確信がわいてきません。

 

10年前の自分も、

 

「不自由なくスペイン語を話せるようになるんだろうか?」

 

と答えのない不安をもっていました。

 

そのとき自分が欲しかったのは、

 

・自分の勉強法(考え方、目のつけどころ、アプローチ)は正しいのか?

・「そのやり方で大丈夫」と勇気づけてくれる。

 

そんな先輩の存在でした。

偉ぶるつもりは全くありません。

 

「むかしの自分と同じ悩みを抱える人の役に立てたら」

 

と思っています。

ただそれだけです。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、アルゼンチンのラ・ナシオンというメディアからの抜粋です。

アルゼンチンがまた経済危機に陥っています。

 

 

(例文1)

Somos un país extraño. Tenemos técnicos de fútbol que triunfan en todo el mundo, pero no encontramos uno para que dirija el seleccionado.

Fuente: La Nación (Argentina), 29 de septiembre de 2018

 

(訳1)

アルゼンチンはふしぎな国だ。世界中で成功するサッカーの監督はいるのに、代表を指揮できる監督はいない

出所:2018年9月28日付、La Nación(アルゼンチン)

 

ちょっと説明1

この文章では<肯定>→<否定>のながれで、リズムを生んでいます。

 

<肯定>

tenemos técnicos que triunfan en todo el mundo

= 世界で成功する監督はいる

 

<否定>

…pero no encontramos uno

= 代表を指揮できる監督はいない

 

(例文2)

Y tenemos economistas brillantes para explicar las crisis y ninguno que las resuelva.

Fuente: La Nación (Argentina), 29 de septiembre de 2018

 

(訳2)

アルゼンチンの経済危機を説明できる明晰なエコノミストはいるのに、経済危機を解決できるエコノミストはいない

出所:2018年9月28日付、La Nación(アルゼンチン)

 

ちょっと説明2

この文章でも<肯定>→<否定>のながれで、リズムを生んでいます。

 

<肯定>

tenemos economistas para explicar las crisis

= 経済危機を説明できるエコノミストはいる

 

<否定>

ninguno que las resuelva

= 経済危機を解決できるエコノミストはいない

 

(例文3)

Si realmente vamos hacia un sinceramiento brutal, no de nuestra economía, sino de nuestra cultura como nación

Fuente: La Nación (Argentina), 29 de septiembre de 2018

 

注: “sinceramiento” はRAE辞書には載っていません。実用例の文脈をみると、「正す」というくらいの意味で理解してよさそうです。そこから「是正」としました。

 

(訳3)

もしアルゼンチンが大きな是正にむかうのであれば、経済の是正ではなく、アルゼンチンの国としての是正にむかうのであれば

出所:2018年9月28日付、La Nación(アルゼンチン)

 

ちょっと説明3

この文章では、<否定>→<肯定>のながれで、リズムを生んでいます。

 

<否定>

no de nuestra economía

アルゼンチン経済ではなくて

 

<肯定>

sino de nuestra cultura como nación

= 国としての文化だ

 

おまけ

・借りた金で生きる

= vivir de prestado

 

・財政赤字ゼロ

= déficit cero

 

・経済的な集団自滅の悪癖を断ち切った人物として歴史に残る

= Macri va a pasar a la historia por haber roto una tendencia al suicidio colectivo

 

・アルゼンチンらしさである変化への抵抗が強まる可能性もある

= también está la posibilidad de que la argentinidad, la resistencia al cambio, sea más fuerte

注: “estar la posibilidad” と言えることが発見。

 

・最大限の仕事をして来ていた

= Toto Caputo venía laburando a full

 

・全力を出す

= poniéndole mucha garra

 

・みんなの中にあるアルゼンチン人らしさが出てしまった

= se le escapó el argentino que todos llevamos adentro

 

・大統領にIMFとの合意を公表させた

= mandó al Presidente a anunciar un acuerdo con el FMI

 

・まだ始まったばかりだった

= todavía estaba en pañales

注: “estar en pañales” は、簡単なスペイン語におきかえると “recién comienza” です。

 

・労組のリーダーたちは変革ではなく現状維持志向なところがすごくアルゼンチン的だ

= líderes sindicales, argentinísimos en cuanto agentes de la permanencia, no de la transformación

 

・必殺の組み合わせ

= combo letal

 

・火曜日国を麻痺させようとした

= quisieron parar el país el martes

 

・やろうとしたことを不完全ながら達成した

= lo consiguieron a medias

 

・マクリ大統領がすべてをフォローしてる

= Macri ya está ocupando de todo…

 

・キルチネル夫妻がかかわるものはすべて金やドルに代わっていた

= todo lo que los Kirchner tocaban se convertía en oro o en dólares

 

・彼女はそれまで未開だった道をみつけた

= ella encontró caminos hasta entonces no explorados

 

・唯一のちがいは刑務所に送られるというところだった

= con el único matiz de que terminaban en la cárcel

 

・長年、楽観的だったマクリ大統領

= Macri, con muchos años de militancia en el optimismo

注: “militancia” はふつう、「政党などに所属する」という意味でつかわれる。ココではそれを比喩的につかってる。このワードのチョイスは少し皮肉っぽいところもあって面白い。同じ単語をつかって文章のかたちにするなら、“Macri ha sido militante del optimismo por muchos años” でも同じ意味が出せる。

 

・これからすごく苦しい月がつづく

= se vienen meses muy difíciles

 

・だれも大統領をいさめない

= nadie lo corrige

 

・血と汗と涙をながすことになるだろう

= tendremos sangre, sudor y lágrimas

 

・天気予報は必要ない、傘、かっぱ、長ぐつが必要だ

= no hace falta mirar el pronóstico: hay que salir con paraguas, impermeable y botas

注:傘、かっぱ、長ぐつが必要になるほど「むずかしい状況になる」ということを比喩的に伝えたいときに使える。

 

・帰って来られてよかった

= qué bueno estar de vuelta

 

・先進国の楽さにたえられなくなってきているところだった

= se me estaba haciendo insoportable la levedad del Primer Mundo

注: “insoportable la levedad” がしまりがいいです。

 

まとめ

この投稿では、スペイン語の文章をリズミカルにする方法をシェアしました。

今回の<肯定>と<否定>の組み合わせによる落差のつけかたはすごく役に立ちます。

 

この投稿があなたのレベルアップの参考になればうれしいです。

継続すれば、あなたも上級者になれます。

 

<タクミ>ってだれ?

スペイン語の静かなるヘンタイです。

ずっとスペイン語の事を考えています。

 

スペイン語は大学の頃にはじめました。

かれこれスペイン語歴15年ほどです。

 

・スペインに半年留学

・そのままアルゼンチンに飛んでメキシコまでバックパッカー旅

・メキシコで仕事

・メキシコで大学院

・ペルーで仕事

・メキシコで仕事

 

飽き性のおかげで、ふらふらした人生を送ってます。

ブレテないのはスペイン語が上手になりたいというところだけです。

 

今、心のなかにある願望は、

 

・スペイン語が上手になりたい

・キューバに住み込みでダンス修行がしたい

 

です。

 

では、また明日!

¡Hasta mañana!