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“独自性を帯びる” “はじめの頃は〜と定義していた” “根底には〜が流れている” をスペイン語でなんと言う?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

スペイン語が上手になりたい人のための仲間、Study Spanish。

今日もあなたの表現力を広げるスペイン語の言い回しを紹介します。

 

今日のスペイン語

今回はつぎの3つの表現を紹介します。

これらの言い回しを紹介しようと思った理由も書きます。

 

(1)ソンゴは独自性を帯びる

“El songo tomó personalidad propia” 

 

“tomar personalidad propia” のところが「エモい」です。

ソンゴは音楽のリズムなので、“personalidad”(=人格)はありません。

 

ただ、この言い回しでは、そのソンゴというリズムを人間のようにあつかっています。

国語で習う「擬人法」というやつに近い考え方です。

 

(2)フォルメルが当初は〜と言っていたものだ

“Lo que Formell denominó en sus inicios como “la nueva forma de hacer el son”

 

“Formell denominó en sus inicios como...” の部分です。

“誰々 denomina en sus inicios como…” という型になっています。

 

この “denominar” は、「言う」「名付ける」「表現する」「説明する」など、いろいろ言い方がある表現です。

 

これに「はじめの頃(当初は)」という補足説明がついています。

何かに関して、

 

・今ではこういう説明の仕方をするけど、

・その何かが出始めの頃は他の説明をしていた

 

そういう意味でつかわれます。

 

(3)根底にはソンが流れている

“En la raíz se encuentra el son” 

 

・“en la raíz” =「根っこ(の部分)には」

・“se encuentra el son” =「ソンがある」

 

ソンというのは、キューバ音楽のジャンルです。

サルサのベースになった音楽です。

 

そのソンは、マタモロスやピニェイロというソンのモデルだった人たちのサウンドが「根底に流れている」という流れの文章になっています。

 

ネイティブはこう表現する

今日の例文は、キューバ伝説のミュージシャン Juan Formell の伝記からの抜粋です。

Juan Formell は、キューバで一番有名なバンド、Los Van Van の創設者です。

 

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Formell は “songo”(ソンゴ)という新しいリズムを生み出しました。

キューバ音楽をイノベーションしたミュージシャンです。

 

(例文)

El songo lo hizo Formell con Changuito, Pupy y el resto de los integrantes de la orquesta; éste tomó personalidad propia, creando así un sonido diferente, una fórmula distinta con cadencias en la persuasión. Es lo que Formell denominó en sus inicios como “la nueva forma de hacer el son”. En la raíz se encuentra el son de Matamoros, Ignacio Piñeiro, pero con otras armonías. Es una verdadera síntesis.

Fuente: “Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 85

 

(内容)

ソンゴはフォルメルが、チャンギート、プピー、その他のメンバーと作った。ソンゴは独自性を帯びた。違うサウンドを生み出しながら。パーカッションの “cadencias” でひと味違う公式を生み出した。これが、フォルメルが最初の頃に言っていた、「違うソンの作り方」というやつだ。マタモロスやイグナシオ・ピニェイロのソンが根底に流れているが、ハーモニーが違う。真の意味での集合体だ。

出所:“Juan Formell y Los Van Van - La Leyenda -, por Rafael Lam 2015, pp 85

 

こう応用できる

順番は前後しますが、簡単に応用のシチュエーションを妄想してみます。

 

(1)ソンゴは独自性を帯びた

= “El songo tomó personalidad propia”

 

あなたがある先生からサルサを習っていたとします。

そして修練の結果、自分のスタイルを確立する域に至ったとします。

 

そのあなたのダンススタイルは、まさに「独自性を帯びている」のです。

“Su estilo de baile tomó personalidad propia” とその状態を言い表せます。

 

(3)根底にはソンが流れている

= “En la raíz se encuentra el son”

 

あなたのダンススタイルはリズムの取り方が普通のサルサとはちがったとします。

あなたのリズムの取り方の「根底には何があるのか」というと、

 

“En la raíz de mi forma de marcar el ritmo se encuentra el son”

こんなふうに表現できます。

 

(2)フォルメルがはじめの頃〜と言っていたものだ

= “Lo que Formell denominó en sus inicios como “la nueva forma de hacer el son”

 

この表現は、応用できる幅がわりかし広いです。

上でも説明したように、

 

・出始めの頃の説明(定義)の仕方

・今の説明(定義)の仕方

 

これがちがう何かについて、むかしはこう定義していたという文脈で使えます。

(具体例が思い浮かばなかった...)

 

このワードにも注目

まずは、“cadencia” です。

このワード、意味がつかみづらい。

 

RAE辞書ではこんなふうに説明されてます。

http://dle.rae.es/?id=6ah3i35

 

でも、ここに書いてある複数の意味をカバーするワードだと感じる...

だから、一つの短い日本語にするのがむずかしい。

 

もう一つが、“síntesis” です。

RAE辞書ではこんなふうに説明されてます。

 

http://dle.rae.es/?id=Xzp9ksD

 

学術論文だと “abstract” の意味でつかわれています。

論文の内容を200語くらいに「要約」したものです。

 

ただこの文脈だと、

 

「いろんなサウンドを混ぜ合わせて作った、新しいハイブリッド」

 

そんな感じの意味でしょう。

 

関連記事リスト

Juan Formell の伝記からは、これまでに何度も表現を紹介しています。

興味があればのぞいてみてください。

 

study-spanish.hatenablog.com

 

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まとめ

この記事があなたの参考になればうれしいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい。

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。