スペイン語を感じとる「肌感覚」の鍛え方
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
今回は表現の紹介はありません。
その代わりに私が「スペイン語を感じとるための "肌感覚" をどう鍛えているか」を紹介したいと思います。
「スペイン語を感じとる "肌感覚" 」とは、
・この表現はシックリくるな~
・この表現はシックリこないな~
という判断をするときに自然と発動する語感です。
感覚を言語化する楽しみ
まだ、思うように考えは体系化できていないです。
でも、私はこういう感覚的な話をするのが好きです。
うまく言葉にならない歯がゆさを乗り越える。
そして、言語化ができたときの快感は何とも言えないです。
共感や異議のコメント待ってます
そして、その感覚を共有できるとなお嬉しい。
・それ、私も同じ感覚です。メッチャ分かります!
・私はどちらかというと、こういう感覚です。
そんなあなたの感覚を共有してもらえると嬉しいです。
スペイン語以外の肌感覚も大歓迎
私はもちろんスペイン語の学習に興味があります。
でも、広い意味では外国語の習得全般に興味があります。
なので、他の言語を勉強している方の肌感覚をコメントいただくことも大歓迎です。
私はスペイン語を感じとる感覚をこう鍛える
最初から感じ取れたわけではない
私もはじめから、「このスペイン語はシックリくる」と感じとれたわけではないです。
私は、純日本人の血筋なので当然です。
スペイン語に全く関係がない家庭で育ちましたし。(as far as I know 笑)
スペイン語に触れる中で、ロジカル、かつ直感的に、「コレならシックリくる!」と感じとれる感覚を養ってきました。
感じとれるようになるために具体的に何をしたらいいか?
自分にない感覚を身に付けるためには何をしたらいいか?
私の場合は、次の2つのトレーニングをしています。
その1:意図的なインプット
まずは「観察」です。
「インプット」と言っても良いでしょう。
でも、何の気なしにボケーッと観察するわけではないです。
あくまで「意図のある」インプットです。
謎解きをする目でネイティブの表現を観察します。
具体的に「こういう疑問を解決したい」という目的を持った上で観察します。
私の場合だと、
・書き手 or 話し手が、どういう気持ちや意図でその言葉チョイスしたのか?
・私だったら同じことをどう表現するだろうか?
(「〇〇さんがXXって言ってたよ」と誰か別の人に説明している自分を想像する)
こんなことを考えながら、ネイティブを観察しています。
このトレーニングは今でも毎日やっています。
意図的な観察の例
下に私がやっている意図的なインプットの例を挙げます。
・これ別の表現(スペイン語)で言い換えるとしたら、何かな~?
・この表現、日本語にしたら何かな~?
・この単語はこの単語と組み合わせるんだ~(コロケーション)
・ここの時制はコレか~
・ここは接続法(直接法)か~
・前置詞はコレか~
・ここは冠詞なしか~
・ここは単数形(複数形)か~
・これはこう表現するんだ~
これを自分で自分に説明しながら、読み聞きします。
こういう意識的な観察を私は、新聞記事などを使ってやっています。
例えば、新聞記事をプリントアウトして、前置詞だけをハイライトしたりします。
事例:前置詞のチョイスだけに注目
すると、「この動詞、自分だったら "en" にするな〜」とか気付く訳です。
そこで、「何でこの記事の書き手は、ここを "en" にしなかったんだろう?」と自分で説明をつけようとします。
スペイン語の教材開発は大きく遅れている
このネイティブが無意識にやっている感情(イメージ)と表現(例えば動詞の時制)のつながりを言語化して説明した日本語のスペイン語教材は存在しないですね。
英語ほどに需要がないからだと思いますが、かなり教材の開発が遅れています。
(読んでる途中に眠くなる、いかにも "アカデミック" な教材はありますが。)
大西泰斗さんとポール・マクベイさんが作っている「ハートで感じる英文法」シリーズのスペイン語版が欲しいです。
一億人の英文法 ――すべての日本人に贈る「話すため」の英文法(東進ブックス)
- 作者: 大西泰斗,ポール・マクベイ
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こんな教材があれば、自分の感覚の中に時制や前置詞などのチョイスを落とし込むことができて、表現の幅も文法的な正確性も増します。
そして、膨大な量の実用例に触れなくとも、肌感覚を養うことができるんじゃないかと思ってます。
学習時間を大いに短縮できる可能があります。
その2:五感でただ受け取る
その1 のような意図的なインプットも大事ですが、「屁理屈抜きにスペイン語をただ五感で感じる」ことも非常に大事です。
要するに、
・スペイン語では分かった
・誰かに自分の言葉で説明することはできないけど分かった
これだけをする訓練です。
私はこの訓練だけをする期間もかなり長かったです。
特に大学院時代の約2年半ほどの間、全く日本語を話さない環境に身を置きました。
今思うとこの大学院時代が自分のスペイン語の表現力が最も研ぎ澄まされていた時期だったと思います。
そして、この時期があったからこそ、今通訳ができるベースがあるのだと思います。
この2つのトレーニングを繰り返し続けた結果、「コレだ」、「この表現がシックリくる」と感じとれるスペイン語の肌感覚が鍛えられました。
唯々、スペイン語で感じる
その2 の方の訓練は、「防御をせず(理性を起動させずに)に五感を目一杯に解放してスペイン語をそのまま血管に染み込ませる」というイメージです。
この訓練するときに意識している事は次の通りです。
・スペイン語でそのまま理解する
・スペイン語でそのまま味わう
・自分が理解できればいい
・誰かに自分の言葉で説明できなくていい
・潜在意識レベルに刷り込まれていく、蓄積されていく感じ
・何も意識しない
・会話、読むこと自体を楽しむ
こんな構えないトレーニングが、イザ!というときの底力(即興力)の源になります。
まとめ
まだまだ、うまく言語化するのが難しいです。笑
そして、うまくまとめて体系的に説明するのも難しいです。
この記事があなたの参考になれば幸いです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。