“大企業で埋もれるより、中小で目立つ方がいい” をスペイン語で何という?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
スペイン語が上手になりたい人のサポーター、Study Spanish。
あなたのスペイン語の幅を広げてくれる言葉づかいを紹介します。
今日のスペイン語
こういう事を周りの人からアドバイスされた経験はありませんか?
・大きなチームで埋もれるより、弱小チームで目立つ方がいい
(例:どこの高校で野球をしようか迷う息子に母親がアドバイス)
・大企業で埋もれるより、中小企業で目立つ方がいい
(例:大企業と中小だったら、中小の方がいいと後輩にアドバイスする先輩)
この両方に対応することわざがスペイン語にはあります。
こういう表現です。
注:“antes cabeza de ratón que cola de león” とも言います。「型」として紹介しているバージョンの変形(variante)です。
“ネズミの頭になる方が、ライオンのしっぽになるよりいい”
これがこの表現の直訳です。
むかし誰かが、
・ネズミという小さい動物であっても、その動物の頭という一番大切な部分になる方が
・ライオンという大きな動物の、しっぽという重要でない部分になるよりイイ
そんなたとえを思いついたのでしょう。
それがどういう訳か、たくさんの人に使われることになったのです。
ネイティブはこう表現する
今日の例文は、ことわざの意味などのまとめページからの抜粋です。
こういうサイトの文章は質にバラツキがあるのですが、この記事は良質でした。
スペイン語で "ライオンのしっぽよりネズミのあたまがいい" ということわざがある。
— study-spanish (@studyspanishjp) August 2, 2018
日本語で言うと "大企業より中小で目立つ方がいい" という意味。https://t.co/dB5T1rPimu
(例文)
La expresión “más vale ser cabeza de ratón que cola de león”, es un refrán español que se refiere a la autoridad o importancia que un individuo posee en un pequeño grupo, bien sea laboral u otro.
Fuente: https://www.significados.com/ consultado el 1 de agosto de 2018
(内容)
「ライオンのしっぽよりネズミの頭」という表現は、職場など小さなグループの中で個人が持つ権限や重要性を示すスペインのことわざ。
出所:https://www.significados.com/ 2018年8月1日参照
今日は特に説明なし
今日は特に説明はないです。
ネイティブ的な発想の要素もありません。
ことわざなのでこのまま覚えるしかない…
残念ながら、そうですね。
こんなシチュエーションで応用できる
たとえば、サッカー選手の移籍について話したいとき。
Aという中堅クラブの中心選手〇〇が、Bというビッグクラブに移籍するとします。
このとき、〇〇の移籍の是非を論じるとしましょう。
あなたは〇〇の特性から、彼の移籍には否定的です。
そこで、あなたはこう意見します。
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タレント揃いのB(強豪)に行ったら、数ある選手の一人になってしまうよ。
それよりは、Aより少しだけサイズが大きいクラブに行った方がいいんじゃない?
〇〇の場合は、
“más vale ser cabeza de ratón que cola de león”
このことわざが当てはまると思う。
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こんな感じで応用できます。
まとめ
この記事があなたの参考になればうれしいです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい。
以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。
おまけ
・一般的に使われる
= se utiliza de forma popular
・小さな企業でトップになる方が大企業で底辺になるよりイイという事を示す
= indicar que es preferible ser el primero en una corporación pequeña que el último en una mayor
・あなたの意見や行動が評価されるポストに就く方が満足感があり気持ちがイイ
=es más satisfactorio y agradable estar en un puesto de trabajo en donde tus opiniones, y acciones sean apreciadas, analizadas y hasta ejecutadas para desarrollar un proyecto o plan dentro de la pequeña empresa o grupo
・前述の点に関連して
= en relación a lo anterior
・命令する上位の人がいるため下にいるその人が評価されない
= el individuo no es valorado porque antes de él existen muchas otras personas con rango de superioridad que opinan, mandan y ejecutan dentro del grande grupo
・ネズミの頭になるのか、それとも反対にライオンのしっぽを望むの自問しないといけない
= el sujeto debe analizar y preguntarse si prefiere ser cabeza de ratón, o por el contrario la cola de león
・日々の生活、そして未来に望むものは何なのか
= qué es lo que desea él para su vida diaria y para su futuro
・人として認められ、すべてのアイディアを評価される
= ser reconocido y valoradas todas sus ideas
・もしくは反対に
= o por el contrario
・上位がいう事をやるだけ
= únicamente realizar lo que sus superiores indiquen
・反論する権利もない
= sin derecho a réplica
・その人よりいいアイディアがあることを示せない
= sin poder demostrar que existe un mejor plan ideado por él
・組織の中でベストを尽くせない
= impedir dar mejor de sí dentro del grupo
・誰かから指示を受け、上の誰かが決めた役割を果たすことを義務付けられる状況をヨシとするかどうかを考える場面で使えることわざ
= es un refrán aplicado a situaciones donde una persona reflexiona si pretende ser dirigida y obligada a realizar funciones impuestas por personas que se encuentran encima de ella
・意見、批判、疑問の投げかけ、上司の意見に反対できる組織に属する
= pertenecer en un grupo donde pueda opinar, criticar, cuestionar, o desconocer las decisiones de sus superiores
・チームを成功に導く策を導入する
= aplicar medidas que aseguren el éxito del grupo
つぶやき
この表現を聞いて思うことがあります。
・弱小チームにいても成長して目立つことができる人
・弱小チームにいると周りに流されてダメになる人
・名門チームにいると埋もれてしまう人
・名門チームにいたら目立てる人
ライバルがいないところで目立つ。
このアプローチは確かにロジカルな戦略だと思う。
でも、それぞれ生まれもった適性(性格)というものがある。
私はすべてにおいて環境次第なタイプ。
自分が環境にどれだけ依存するタイプなのか?
そこを理解せずに戦略ありきでやっても、うまく行かない。
私は大人のいう事に耳を貸してしまうタイプの子どもだった。
すべての格言がすべてのケースに当てはまらないと気付いたのは大人になってから。
ジジイになる前に気づけてよかった。
タクミ