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スティーブ・ジョブズの名言 “Stay hungry, stay foolish” をスペイン語で何と言うか?:ジョブズのスタンフォード大学卒業式での伝説のスピーチから

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

今日もスペイン語がもっと上手になりたい人のオンラインメディア、Study Spanish にお越しくださりありがとうございます。

 

今日は、スティーブ・ジョブズの名言を取り上げます!

 

今日のスペイン語表現

“Stay hungry. Stay foolish” スペイン語ではこう言います。

 

“Mantente hambriento. Mantente insensato”.

 

新しいテーマの切り口

これまでの記事では「スペイン語と日本語の橋渡し」、つまり「この日本語をスペイン語でどう表現しようか?」、その反対に「このスペイン語はこういう意味の日本語のときに使える」という観点からだけスペイン語の表現を紹介してきました。

 

しかし今回からは「英語とスペイン語の橋渡し」も当メディアのテーマに加えたいと思います。

というのも、スペイン語と日本語の橋渡しをする上で、どうしてもうまく訳が見つからない場合が結構あります。

 

しかし、こういう場面で「英語とスペイン語の橋渡し」に着目することが、欲しい表現を見つけるヒントになるからです。

そのやり方、勉強の仕方をこのメディア内の記事を通じて読者の皆さんに共有できたらと考え、連載を始めることにしました。

 

何でこのタイミングでジョブズ?

ジョブズの名言から始めることになったのは、このPEITAさんのブログをたまたま見たことがきっかけです。

 

この記事が私は刺さりました。

 

純粋にブログを見ただけです。

PEITAさんご本人とは面識ありません。

 

すごくデザインのセンスが言い方だと感じました。

(宣伝じゃないです。)

 

で、PEITAさんのカバー写真(って言うんですかね、コレ?)の中にジョブズの名言が入ってたんです。

それで、このジョブズのスピーチを題材にすることに決めました。

 

日英西の3言語による「三角橋渡し」

そんなとき私がやっているのが、「三角の橋渡し」です。

“日本語ー英語ースペイン語” という3つの言語をつないで、目当ての表現を探し出すやり方です。

 

歴史的な “必要性” で2言語のあいだの理解度が決まる

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日本語と英語の相互理解度は高い

日本語と英語の関係性と比較すると、日本語とスペイン語の橋渡しは、残念ながらまだ歴史が浅いです。

 

これには歴史的な理由があります。

(人によっては “地政学的” とか表現すると思います。)

 

英語圏での日本語の研究がいつの時代から始まったのかはよく分かりません。

ただ、

 

・早ければ、日本が開国してアメリカと貿易を始めた頃

・遅くとも、第二次世界大戦の頃

 

までには、アメリカは国益レベルで日本語を理解する必要性に迫られていた。

日本語を知る必要性をかなり感じていたと考えられます。

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日本語とスペイン語の相互理解度は低い

こんな差し迫った「日本語ー英語の橋渡し」の必要性と比べると、日本語とスペイン語は互いを理解しあう必要性が歴史的に乏しかったと言えます。

 

確かに16世紀頃、日本と貿易をしたり、キリスト教の宣教師が来たりはした。

でも、

 

この国と貿易することは国家経済にとって極めて重要

この国から攻撃を受けて、ヤられる可能性がある

 

という逼迫した必要性は存在しなかったんです。

となると、必然的に「日本語ースペイン語」のつながり(連絡性)はあまり良くないです。

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英語を日本語とスペイン語の中継点に使う

しかし、私は「日本語とスペイン語の橋渡し」をすることでお金をもらっています。

 

「いや〜、ちょっとココ(日本語)とココ(スペイン語)の間は地形が険しいんで、橋通せないっすね〜」

 

とは、口が裂けても言えない。

その険しい地形で橋を渡すのが私の価値の見せ所なんです。

 

じゃあこういう困った難所をどう攻略するか?

そういう状況で目を向けるのが、「英語とスペイン語の橋渡し」です。

 

アメリカが貿易上の重要なパートナーであり、かつては敵対国であった日本の言葉をよく研究しているのと同様に、 かつての冷戦時代には「アメリカの裏庭」と言われた、ラテンアメリカ諸国の公用語であるスペイン語を理解することは、アメリカの国益にとって非常に重要だったのです。

 

だから、「英語ースペイン語の橋」は「日本語ー英語の橋」と同じぐらい連絡性が高いです。

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こんな英語を日本語とスペイン語の中継点として使うことができれば、「日本語ースペイン語の橋」の連絡性も相当高まるのです。

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だから普段「日本語ースペイン語」の橋渡しに困ったとき、私は一旦、英語のフィルターを通してから、日本語なりスペイン語と向き合います。

すでに、知恵ある先人が残してくれた足跡を辿るのです。

 

もちろん、 「ホントにこの道をそのまま通っていい(この訳、そのまま使える)?」というクリティカルな目で判断してから通りますが…

 

英語力がスペイン語力につながる

こういうちゃんとした有用性があるので、話せなくてもいいから英語のレベルを高めようと私は常に気にしてます。

 

英語のレベル高まる

=スペイン語のレベル高まる

=仕事のパフォーマス上がる

 

という構図になっているので。

 

注:英語とスペイン語は、かなりの共通点がありますが、直訳が難しい単語や表現もかなりあります。この部分は、橋渡しをする人がどれだけそれぞれの言語に精通しているか次第です。

 

上級者が感じるスペイン語学習のメリット

スペイン語力が高まったときに得られる恩恵の一つとして、英語のボキャブラリーが爆発的に増えることが挙げられます。

 

例えば、TOEFL で受験者が苦労するアカデミックな単語が、スペイン語では日常用語だったりするんです。

だから、スペイン語の上級者は、TOEFLのために単語を覚える必要がないです。

 

このボキャブラリーのアドバンテージは、ロマンス系言語(スペイン語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語)の上級者が英語を勉強するときに感じる代表的なメリットのひとつですね。

 

英語しかやったことがない人が TOEFL で良いスコアを出すためにボキャブラリー構築にヒーヒー言っているのに、あんまり英語が話せないスペイン語上級者が、その人より専門用語を知っているなんてことも聞いたことがあります。

 

何が言いたいかというと…

すみません。

何で英語とスペイン語の表現の仕方をこのメディアの記事内で比べるのか?

 

その意図をちゃんとまとめます。

理由は大きく2つです。 

 

理由1.

英語とスペイン語の理解度が高まると日本語とスペイン語の理解度も高まるから。

 

その理解度が高まるメカニズムは、上で説明した歴史的な背景によるものです。

 

理由2.

英語もスペイン語に負けず “エモい”からです。

 

“エモい英語” を知ることは、自分のスペイン語がもっと “エモく” することにつながります。

これは、個人的に私が「人の心を動かせる “エモーショナルな” スペイン語」を話せるようになりたいと思っているからです。

 

関連記事:“エモい” スペイン語

study-spanish.hatenablog.com

 

英語とスペイン語を見比べよう

私のつまらぬ私見で大事な読者をイライラさせたところで、英語とスペイン語を見比べて行きたいと思います。

 

まず、ジョブズのスピーチの原文からです。

 

(英語原文)

Stewart and his team put out several issues of The Whole Earth Catalog, and then when it had run its course, they put out a final issue.

 

It was the mid-1970s, and I was your age.

 

On the back cover of the final issue was a photograph of an early morning country road, the kind you might find yourself hitchhiking on if you were so adventurous.

 

Beneath it were the words: “Stay hungry. Stay foolish.

 

It was their farewell message as they signed off.

 

Stay hungry. Stay foolish.

 

And I have always wished that for myself.

 

And now, as you graduate to begin anew, I was that for you.

 

Stay hungry. Stay foolish.

 

Source: Stanford News, 14 de junio, 2005

https://news.stanford.edu/2005/06/14/jobs-061505/ accessed on April 13th, 2018

 

次にスペイン語訳です。

 

(スペイン語訳)

Steward y su equipo publicaron varias ediciones del The Whole Earth Catalog, y luego, cuando seguía su curso normal, publicaron la última edición.

 

Fue a mediados de los 70 y yo tenía la edad de ustedes.

 

En la tapa trasera de la última edición, había una fotografía de una carretera en el campo tomada temprano en la mañana, similar a una en que estarían haciendo autostop si fueran así de aventureros.

 

Debajo de la foto decía: “Mantente hambriento. Mantente insensato”.

 

Fue su mensaje de despedida al finalizar.

 

Mantente hambriento. Mantente insensato.

 

Siempre he deseado eso para mí.

 

Y ahora, cuando se gradúan para empezar de nuevo, es lo que deseo para ustedes.

 

Mantente hambriento. Mantente insensato.

 

Fuente: Expansión (México) - CNN, 6 de octubre, 2011

https://expansion.mx/tecnologia/2011/10/06/mantenganse-hambrientos-y-las-tres-lecciones-de-vida-de-steve-jobs consultado el 13 de abril, 2018

 

ジョブズの名言はスペイン語でこう言う

“Stay hungry. Stay foolish” は

“Mantente hambriento. Mantente insensato” と訳されています。

 

ん〜…

確かに “正しい” 訳ではある…

 

でも、

 

・“Mantente”...

・“Hambriento”...

・“Insensato”...

(“alocado” と訳している例もありました)

 

なんかしっくり来ない…

でもかといって、代替案は思い浮かばない… 

(「肌感覚」の世界です。)

関連記事:スペイン語の「肌感覚」を鍛える

study-spanish.hatenablog.com

 

文句は言うけど代替案がない野党になった気分…

出てきそうで出てこない、喉にモノがつっかえたような気分…

 

“Mantente hambriento. Mantente insensato.”

とりあえず代替案に巡り会えるまで、一旦これを「最適解」とします。

 

関連記事:「最適解」とは?

study-spanish.hatenablog.com

 

大手スペイン語テレビ局の訳に物申す

この英語をスペイン語に訳したのは、CNN という大手テレビ局です。

でも、訳が気に入らないところがあるので、物申します。

 

一文目に “cuando seguía su curso normal, publicaron la última edición.” とあります。

英語オリジナルの “when it had run its course, they put out a final issue.” に該当する部分です。

 

ここ動詞、時制がズレてる。

英語では、“when it had run its course” ってなってるのに。

 

だから意味もズレてる。

英語では、“The Whole Earth Catalog が節目を迎えた(このマガジンが進むべき道を走りきった)ところで最終巻を出した” という意味。

 

だけどスペイン語では、“The Whole Earth Catalog が普通に走って(出版して)いたときに最終巻を出した” という意味に取れてしまう。

(動詞の時制がズレているからこうなる。)

 

なので、

 

・“cuando había cumplido con sus objetivos/misiones/metas/expectativas

・“cuando había completado su recorrido

・“cuando había recorrido lo que se pretendía recorrer

 

と私なら言い換えます。

 

今日のおさらい

最後に今日のおさらいをします。

 

まず、Stay hungry. Stay foolish” は、

“Mantente hambriento. Mantente insensato” です。

 

これを踏まえた上で、全体のスペイン語訳はこうなります。

英語原文(ブルー)の下にスペイン語訳(レッド)を付記)

 

全体のスペイン語訳

(英語)

Stewart and his team put out several issues of The Whole Earth Catalog, and then when it had run its course, they put out a final issue.

(スペイン語)

Steward y su equipo publicaron varias ediciones del The Whole Earth Catalog, y luego, cuando (la revista) había cumplido con sus objetivos, publicaron la última edición.

 

(英語)

It was the mid-1970s, and I was your age.

(スペイン語)

Fue a mediados de los 70 y yo tenía la edad de ustedes.

 

(英語)

On the back cover of the final issue was a photograph of an early morning country road, the kind you might find yourself hitchhiking on if you were so adventurous.

(スペイン語)

En la tapa trasera de la última edición, había una fotografía de una carretera en el campo tomada temprano en la mañana, similar a una en que estarían haciendo autostop si fueran así de aventureros.

 

(英語)

Beneath it were the words: “Stay hungry. Stay foolish.

(スペイン語)

Debajo de la foto decía: “Mantente hambriento. Mantente insensato”.

 

(英語)

It was their farewell message as they signed off.

(スペイン語)

Fue su mensaje de despedida al finalizar.

 

(英語)

Stay hungry. Stay foolish.

(スペイン語)

Mantente hambriento. Mantente insensato.

 

(英語)

And I have always wished that for myself.

(スペイン語)

Siempre he deseado eso para mí.

 

(英語)

And now, as you graduate to begin anew, I was that for you.

(スペイン語)

Y ahora, cuando se gradúan para empezar de nuevo, es lo que deseo para ustedes.

 

(英語)

Stay hungry. Stay foolish.

(スペイン語)

Mantente hambriento. Mantente insensato.

 

まとめ

この記事があなたの参考になれば嬉しいです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

もっと “エモーショナル” なスペイン語が 話せるようになりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。