「どんな人として人々の記憶に残りたいか?」をスペイン語で何と言う?
おはようございます!
スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。
本日もスペイン語が上手になりたい人のためのオンラインメディア、Study Spanish をご覧頂きありがとうございます。
今日のスペイン語
今日は「どんな人として人々の記憶に残りたいか?」を問いかけるスペイン語の表現を紹介します。
早速、私が見つけたネイティブの表現を紹介します。
"¿Cómo le gustaría que recordaran al Maestro Urbay?"
ネイティブはこう表現する
今日もキューバの Granma の記事から例文を抽出してきました。
キューバのトランペット教育の父、マルコス・ウルバイ先生の記事。https://t.co/1QM0NFMVs9
— study-spanish (@studyspanishjp) 2018年4月21日
この記事の中にある表現から、過去にいくつか表現を紹介しています。
こちらが例文です。
(例文)
グランマ記者:Cuando ya no pueda hacer música, ni enseñar, ¿cómo le gustaría que recordaran al Maestro Marcos Urbay?
ウルバイ師匠:Casi todos los días cruzo por el parque del pueblo y allí veo un monumento a Maceo que tiene inscrita una frase de él: «Soy un obrero de la libertad». Yo pienso igual, me considero un simple obrero de la música. Así quiero que me recuerden, como una persona que dedicó toda su vida a esta manifestación artística.
Fuente: Granma (Cuba), 5 de abril, 2018
(内容/拙訳)
グランマ記者:この先、演奏することも教えることもできなくなったとき、どんな人として人々の記憶に残りたいとお考えですか?
ウルバイ師匠:ほぼ毎日、街の公園を通る。その公園にはマセオの像があって、そこにマセオ自身のこんな言葉が刻んである。「私は自由のために働く人間だ。」私もマセオと同じことを感じる。私は音楽のために働く一人の人間に過ぎない。そんな風に人々の記憶に残りたい。人生のすべてを音楽という芸術表現に捧げた一人の人間という風に。
出所:2018年4月5日付、Granma(キューバ)
「記憶に残る」の解釈
「記憶に残る」をスペイン語では「〇〇がXXを思い出す」と解釈します。
この例文では、「人々がウルバイ師匠を思い出す」と置き換えてます。
これに該当する部分が、“recordaran al Maestro Urbay” です。
で、「どんな人として」は、「どのように」(= “cómo”) でカバーされています。
全体を合わせて、
“¿Cómo le gustaría que recordaran al Maestro Urbay” となります。
ここがポイント
仮定の動詞の時制は難しい
ここは未来の仮定の話をしています。
こういう仮定の話を日本語のネイティブがスペイン語で表現するとき、混乱するのが動詞の時制です(私も混乱します)。
“¿Cómo quiere que recuerden al Maestro Urbay?”
というスペイン語に訳してしまう日本人がかなりの数いるはずです。
しかし、グランマの記者の質問は、
“¿Cómo le gustaría que recordaran”
と表現しています。
これはネイティブとしては当然の動詞の時制のチョイスです。
息を吸うように迷いなく選びます。
でも、我々、非ネイティブにとっては、この仮定の話をするときの動詞の時制の扱いって本当に難しい!
正直、私が一番苦手にしているところですし、人に教えることも難しい。
自分が書いたスペイン語をネイティブに見せたとき、指摘されるミスはだいたい、
・動詞の時制のチョイス
・冠詞のチョイス
この2つです。
この2つの要素は、鍛えるのが難しいインナーマッスルみたいな感じです。
私もいいトレーニングの方法を探し中
正直、まだいい答えはないです。
期待ハズレですみません。
いくつか文法解説書はあるけれども、“誰かの頭で処理されたあとの結果” だけ見ても、それを自分がアウトプットするためには役立てられない。
いざ、自分で仮定の文章を組み立てようとすると、「アレ、このケースの動詞の時制って、単純な未来かな?それとも過去未来かな?」とか考えてしまう。
「ここ本当は、未来形か過去未来だけど、現在形で言っちゃったな〜」とか、よくあります。
調べる時間がある翻訳ではないけど、その場勝負の通訳では結構な頻度でやります。
最後はインプットの量がモノを言う
結局、インプットを増やして感覚レベルに落とし込まないといけない。
動詞の時制の選択は、イメージが伴わないと応用が利かないケースがたくさんある。
昨日もネイティブと動詞の時制の件で相談をしたんですが、彼らネイティブは文法的には説明できないけど、感覚的に
・「これは絶対変に聞こえる」
・「これは大丈夫」
っていう判断ができる。
それはなぜか?
やっぱり、子供の頃から膨大な量のインプットをして、
・「こういう言い方はみんながするけど」(=これは正しい)
・「こんな言い方は聞いたことがない」(=これは不自然、間違い)
を判断できる感覚(イメージ)を養ってるからに他なりません。
「そんなん簡単にできれば世話ないわ!」って言われそうですが、これは文章をたくさん読んでいくしかないと思います。
ラテンの日常会話では、あんまり仮定の話って出てこないから…
今日のおさらい
それでは、今日のおさらいをします。
インタビュアー、そしてインタビューを受ける側になりきって、例文を100回、気が狂ったように連呼してください。
記者:¿Cómo le gustaría que recordaran a Usted?
(どんな人として人々の記憶に残りたいですか?)
私:Me gustaría que me recordaran como una persona que dedicó toda su vida al baile folklórico cubano.
(人生のすべてをキューバの民族舞踊に捧げた人として思い出されたい)
私(タクミ)がインタビューを受けたら、こういう答えをしたいという妄想です。
失礼しました。
まとめ
この記事があなたのお役に立ったと感じてもらえたら、スゴく嬉しいです。
もっとスペイン語が上手になりたい。
キューバに住み込みでダンス修行がしたい!
以上、大谷翔平くんの活躍が楽しみでたまらない、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。