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「事実に即す」「事実は小説より奇なり」「話の一部しか伝えていない」をスペイン語で何と言うか?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

いつも Study Spanish を読んで頂いてありがとうございます。

「一歩先のスペイン語力を目指している人のお役に立てたら」と思って毎日更新してます。

 

今日のスペイン語

今日のスペイン語表現は、

 

・「事実に即す」

・「事実は小説よりも奇なり」

・「話の一部しか伝えていない」

 

の三本立てです。

 

早速、ネイティブの表現例を紹介します。

 

“atenerse a los hechos”

=「事実に則する」

 

“la realidad supera la ficción”

=「事実は小説よりも奇なり」

 

“llegar a la gente solo con un lado de la historia”

=「話の一部しか伝えていない」

 

紹介するスペイン語の選択基準

このメディア内で紹介する表現は、なるべく旬の話題に関するスペイン語表現を選ぶようにしています。

日本のYahoo!ニュースやスペイン語圏で話題になっているトピックに関するメディアの記事を読んで、

 

・「ああ、これ仕事(ビジネス)で使えるなぁ」

・「日常生活で使えるなぁ」

・「この間、うまくスペイン語にできなかったことをこの言い方で伝えられるな」

・「この表現、日本の説明に使えるなぁ」

・「この野球用語、スペイン語ではこういう風に言うんだ」

 

とか考えながら、旬のトピックの中で使われているスペイン語を表現を紹介することに途中から選択の基準を変えました。

 

このページをスタートした頃は、体系立てて表現を紹介していくつもりでした。

 スペイン語には、「言う」を言い換える表現がたくさんあることを紹介したシリーズがこれにあたります。

関連記事:「言うシリーズ」一覧

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タイトル一覧も作っていたほどですし。

関連記事:ブログ開設1か月、全然読まれない!

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ただ、私が紹介したい表現を順番に進めていくと、例文がかなり古い何年も前のものになってしまうことがありました。

 

仮にここ最近の例文だったとしても、ラテンアメリカのことをこれから知りたいと思っている人にとっては、はあまり馴染みのない話題を例文に取り上げざるをえなかったりということもありました。

 

今は、馴染みのないトピックから例文を引き出すより、大谷翔平くんや本田圭佑氏のような注目されている人に関する記事から例文を引き出しています。 

関連記事:大谷翔平、本田圭佑、イチローがネタの記事

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「その方が例文自体を楽しめるから、頭の中に入って来やすいかな?」と思って、旬の話題から表現を拾ってきています。

 

今日の例文の出所

今年の3月に放映が開始されたNetflixのテレビドラマシリーズ、“The Mecanism” に関する記事です。

 

"The Mecanism" 作品についてはこちら

www.netflix.com

 

“The Mecanism” のあらすじ

舞台は南米ブラジル。

現地で「ラバ・ジャト作戦」と呼ばれているブラジル史上最大の汚職捜査(現実)をテーマにしています。

 

この「ラバ・ジャト作戦」では、たくさんの政治家や大企業のトップが捜査対象となったため、捜査本格化の4年前からブラジル政財界に大激震を与えていて、3人の大統領がこの件で捜査対象となっています。

 

汚職とマネーロンダリングで有罪判決を受けているルーラ元大統領

(でも大統領に返り咲きを狙ってます)

twitter.com

 

国の会計を操作して、ブラジルの懐具合が良いように見せようとした疑いで大統領を辞めさせられたルーセフ元大統領

(ルーラと同じように汚職やマネロンの捜査も受けている)

twitter.com

 

今の大統領のテメルは、賄賂を受け取った疑いで捜査を受けている

twitter.com

 

汚職で有罪判決を受けた人物が、大統領に返り咲けるチャンスがある立場に留まれていることが不思議でなりません。

 

ふつう、政治生命絶たれるんじゃないの?笑

少なくとも、表舞台からは姿を消すとか。

 

政治論争を巻き起こす作品

このシリーズ、3月23日の放映開始からブラジルで大論争を巻き起こしてます

 

上に挙げたルーラとルーセフの元大統領に至っては、「配信元のNetflixと監督のパディーリャさんを訴える!」と鼻息を荒くしてます。

 

その様子は、ラテンアメリカ各国のメディアの美味しいネタにされてます。

 

アルゼンチン

 

アルゼンチン

 

コロンビア

 

ペルー

 

チリ

 

メキシコ

 

スペイン

 

でも、当のパディーリャ監督は、「ルーラとかルーセフが騒ぎ立ててくれたおかげで、このシリーズのプロモーションになったよ」と意に介せず。笑

 

 

“The Mecanism” の感想

よかったところ

(1)現実と比べながら見ると楽しい

なんとなくでも、現実の登場人物(政治家や企業のトップ)を知っている人にとっては、かなり楽しめる。

ルーセフが大統領に再選したときの勝利宣言の様子とかかなり現実に即した描写がされていた。

 

事情をよく知らない人でも、「国家レベルの陰謀系のシリーズ」が好きな人は楽しめるはずです!

(私のプロフィールに挙げているシリーズと同じ作品が好きな人は好きなはず)

 

(2)ありえないスケール感の行き来が良い!

街の両替商や洗車屋が国家レベルの(大統領や国会議員などの政治家から、国営石油会社や国内最大手ゼネコンのトップが関与する)汚職で中枢的な役割を果たしていたという、めちゃくちゃローカルレベルから全国レベルに飛躍する「スケール感の行き来」が意外すぎて面白かった。

(この意外性は人によって好き嫌いが分かれるところだと思うけど)

 

イマイチだったところ

(1)悪役がいろんな面で弱すぎる。

悪役が裏でものを動かす力が弱過ぎる。

悪役が影響力を使って、正義役の計画を踏みにじるようなことを期待していたのに…

こういうドラマでは、正義役と一緒に悪役の所業を憎めないとなあ…

 

(2)悪役にあくどさ、性根の悪さ、しぶとく悪に徹する様がない。

ラテンアメリカのドラマって、視聴者として見てるだけなのに悪役が本当に憎らしく感じてしまうくらい悪は悪に徹しているんだけど、このドラマではそれが感じられなかった。

 

悪役だけど、人間的な恐れとか弱さ、奥底では善良な人間なのかもという一面が見えてしまって、悪を悪と見る感情移入がしづらかった。

 

ただ、どんなに善良な人間であったとしても、そのときの状況とか環境によっては汚職に手を染めてしまうことなんてありえると思う。

 

そういう意味では、すごく現実的な描写なのかもしれないけど。

 

(3)だから、悪の主役が誰か分からない

なんとなく、イブラヒムが悪役なのかなというふうに感じていたけど、イブラヒムもめちゃくちゃ悪役になりきれてない。

その他の大企業のトップも同じ。

悪役に徹することができてない。

 

(4)汚職のメカニズムの描写が弱い

このドラマのタイトルがメカニズム。

つまり「汚職の仕組み」を描いているはず。

 

確かに、汚職に関わる人物と違法な金の流れを人物相関図に描くような場面は何回も出てくるし、金の受け渡しが描かれているシーンもある。

 

でも、その違法な金が具体的にどういう風に流れているのかという仕組みを詳細に説明する部分がシーズン1の8話で1度も出てこない。

 

今後の捜査に期待

ここの仕組みの部分は、ブラジルでの捜査(現実)で明らかになって欲しい。

単なる好奇心だけど。

裁判の判決分とかが出ると、この仕組みのところが明らかになるはずなんだけどな。

 

"The Mecanism" 断然オススメです!

悪口の方がボリュームが多いけど、おススメですからね。笑

ぜひ、観てみて下さい!

www.netflix.com

 

ネイティブはこう表現する

いらん話が長くなりました、スミマセン!

(例文1)

Una nueva serie de Netflix acerca de una extensa investigación de corrupción se ha entrometido en la problemática política de Brasil...al detonar el debate acerca de qué tanto un docudrama debe atenerse a los hechos.

Fuente: New York Times, 3 de abril, 2018

 

(内容/拙訳)

大規模な汚職捜査をテーマにしたNetflixの新しいドラマシリーズは、ブラジルの政界に足を踏み入れた。史実に基づくドラマがどれだけ事実に即すべきかに関する論争を巻き起こしている。

出所:2018年4月3日付、New York Times

 

(例文2)

Creo que lo hizo bien, aunque la realidad supera la ficción.

Fuente: New York Times, 3 de abril, 2018

  

(内容/拙訳)

パディーリャ監督の作品はよくできていると思う。ただ、事実は “The Mecanism” を上回っているが。

出所:2018年4月3日付、New York Times

 

(例文3)

Es una serie que llega a la casa de la gente solo con un lado de la historia.

Fuente: New York Times, 3 de abril, 2018 

 

(内容/拙訳)

このシリーズは、話(汚職)の一部しか伝えていない

出所:2018年4月3日付、New York Times

 

今日のおさらい

今日の表現は、例文をそのまま覚えてしまいましょう。

覚えるためには、狂ったように何度も声に出して音読するしかないです。

 

せーの・・・ 

(1)“Un docudrama debe atenerse a los hechos

=事実に即する(基づく)

 

(2)la realidad supera la ficción”

=事実は小説よりも奇なり

 

(3)“llega solo con un lado de la historia”

=話の一部しか伝えていない

 

今日はこの辺で。

 

まとめ

この記事があなたの参考になれば幸いです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行がしたい!

 

以上、イチローの去就が心配で夜も眠れない、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。