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「直観的に分かるプレゼン/グラフ」をスペイン語で何と言うか?

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おはようございます!

スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミです。

 

今日のテーマは、「直観的に分かるプレゼン/グラフ」をスペイン語で何と言うかです。

 

今回も実用例を交えて紹介します。

 

早速、私が見つけた表現を紹介します。

 

“una presentación intuitiva”

“una gráfica intuitiva”

 

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これだけでは伝わらない

ただ、“intuitivo” という単語は、

 

・普段から多くの人が使う日常の語彙ではない

・だから、ネイティブでも意味をよく知らない

・"intuitivo" の意味を補足的に説明をしないと伝わらない

 

ということが分かりました。

 

なので、今回は単なる実例の紹介というよりは、私が調べた結果です。

私がいろいろ調べてみて、「自分ならこういう表現で伝える」という「ひとつの表現案」だと思ってください。

 

まさに現時点での「最適解」ですね。

 

関連記事:「最適解」とは?

study-spanish.hatenablog.com

 

日常でもビジネスでも使える表現

今日の表現は、ビジネスの場面で使うことを想定した表現です。

 

例えば、誰かのプレゼンを見て、「直観的に分かりやすい」といったコメントをする場面で使えます。

私は、実際にこういう場面で何度も見聞きしたことがあります。

 

この基本形を覚えて、使える場面でドンドン使いっていきましょう。

考えなくても口から「パッ」と出るような状態が理想です。

 

「通訳泣かせ」の表現たち

こういう表現、日本語ではよく見聞きする表現です。

しかし、スペイン語(外国語)で反射的に出すのは慣れないと難しいと感じます。

 

・話し手が使っている言語では意味が理解できる。

・だけど、アウトプットする方の言語での表現が思いつかない。

 

私はこういう表現たちを「通訳泣かせ」の表現と言っています。

 

関連記事:「通訳泣かせ」の表現 

study-spanish.hatenablog.com

 

もし、こういう言い換えが難しい表現を難なく変換できるとしたら・・・

あなたが通訳ではないとしても、

 

・言わんとするところを100%に近く伝えることができる。

・「自分の想いを伝えられない」という悔しさを減らすことができる。

 

こんなメリットがあります。

 

「かゆいところに手が届く表現」をしたいという悩みはみんなに共通だと思います。

特に、レベルが上がれば上がるほど。

 

だからこそ、このメディア内で言い換えに困る「通訳泣かせ」の表現を集積して、みんなでスペイン語のレベルアップができればいいなと考えています。

 

実用例:ネイティブはこう使っている

では、実用例を紹介していきます。

(例文)

¿Qué anotan los estudiantes durante una presentación intuitiva del concepto de límite?

 

Fuente: ¿Qué anotan los estudiantes durante una presentación intuitiva del concepto de límite? En: C. Fernández, M. Molina y N. Planas (eds.), 2015. Investigación en Educación Matemática XIX. Alicante: SEIEM. pp. 133-141

 

内容はこんな感じです。

 (拙訳)

(数学の)限界に関する直感的なプレゼンの最中、学生は何をノートにとるか? 

出所:¿Qué anotan los estudiantes durante una presentación intuitiva del concepto de límite? En: C. Fernández, M. Molina y N. Planas (eds.), 2015. Investigación en Educación Matemática XIX. Alicante: SEIEM. pp. 133-141、2018年3月29日参照

 

背景補足

この文章は、数学の授業中に生徒がどんなノートを取っているかを調査したものです。

授業で説明する内容は、「限界のコンセプト」らしいですが、数学が破滅的にできない私には、なんのことやらサッパリ分かりません。笑

 

関連記事:私は数学が破滅的に苦手だった。

study-spanish.hatenablog.com

 

この調査の結果としては、この限界のコンセプトが「直感的に分かる」説明がないと、学生は事例ばかりをノートに取る傾向が分かったそうです。

 

しかも、ワードワードをかい摘んでノートに取るだけで、それぞれのワード(コンセプト)同士の関連性まではノートに取っていなかったとのこと。

 

一体、限界のコンセプトは日常生活でどんな風に役立つのだろう?

(↑数学教育に対する批判)

 

形容詞 “intuitivo” を付けるだけだと伝わらない

上の例文は、数学教育に関する学術論文です。

その中で使われている言葉なので、専門用語の可能性があります。

 

つまり、

 

「数学教育の研究者だけが、言葉の意味を理解している可能性がある」

 

ということです。

 

ネイティブに聞いても、「"intuitiva" の意味がよく分からない」と言っていました。

なので、おそらく専門用語です。

 

であれば、“una presentación intuitiva” と言ったあとに、そのプレゼンはどんなモノなのかという説明を加えないといけません。

その説明するには、「直観的に分かる」の意味を掘り下げる必要があります。

 

「直感的に分かる」の意味を掘り下げる

まず、自分がやったのは、「直感的に分かる」を別の言葉で置き換えることです。

 

「直観的に分かるプレゼン」の特徴をググる

そこで、「直観的に分かるプレゼン」の特徴を探しました。

このサイト(↓)の特徴づけを参考にしました。

 

「見せ方で差がつく!直感的に伝わるプレゼンスライドの作り方」

http://ppt.design4u.jp/design-layout-13111/

 

この記事では、「直観的に分かるプレゼン」をこう定義しています。

・本当に伝えたいことが伝わる
・聞く側が「自分たちに何を求められているのか」がよく分かる。 
見た瞬間にすぐプレゼンターの伝えたいことが分かる。 
思いを素早く、誤解なく伝えることができる 

 

出所:「見せ方で差がつく!直感的に伝わるプレゼンスライドの作り方」2018年3月29日参照

 

RAEで “intuitivo” の意味を調べる

今度は、RAEの辞書で “intuitivo” にどんな意味があるのか調べてみました。

上のサイトで見たプレゼンの特徴と通じるところがあるか確認するためです。

 

関連記事:スペイン語学習者の味方神ツール:RAEのオンライン辞書

study-spanish.hatenablog.com

 

下がRAEの定義(“intuición”の定義)です。

関係があるモノだけ抜き出します。

(RAEの定義)

  1. f. Facultad de comprender las cosas instantáneamente, sin necesidad de razonamiento.
  2. f. Fil. Percepción íntima e instantánea de una idea o una verdad que aparece como evidente a quien la tiene.

Fuente: RAE, consultado el 29 de marzo, 2018 

 

RAEの定義を見ると、

  • ものごと(アイディア)を瞬時に理解できる。
  • 考えなくても理解できる。

出所:RAE、2018年3月29日参照

 

が、「直感」の意味です。

 

結論:「直感的に分かる」=「見た瞬間に言いたいことが伝わる」

ググって見つけたサイトとRAEの定義で、ピンク文字になっているところを見比べます。

すると、意味が重なるところがあるのがわかります。

 

その意味が重なるところを抽出すると、

 

「直感的に分かる」=「見た瞬間に言いたいことが伝わる」

 

だという結論に至ります。

 

なので、

 

1. 「直感的に分かるプレゼンが欲しいんだ」と言ったあとに、

2. 「見た瞬間に言いたいことが伝わるプレゼンが欲しい」と補足する

 

と日本語で言わんとするところが伝わります。

 

私ならこう表現する

これを踏まえた上で私は、「見た瞬間に言いたいことが伝わるプレゼンが欲しい」をこう表現します。

 

メインの文章を言った後に、補足の文章を加えて1セットです。 

アイディア1. 

メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que transmita su (tu) mensaje central en un instante.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

メインの文章:見た瞬間に一番言いたいことが伝わるプレゼンが欲しい。

※ここでの “central” は、“esencial” や “primordial” とも言い換え可能です。

※このオプションがここに挙げているオプションの中で一番オーソドックスです。確実に伝わります。

 

アイディア2. 
 メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que me deje claro inmediatamente lo que pretendes informar y qué es lo que tú esperas de nosotros.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:見た瞬間、あなたが伝えたい情報が何かハッキリ分かって、我々に何を求められているのかが分かるモノが欲しい。

 

アイディア3. 
 メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que me permita procesar su esencia momentáneamente.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:瞬間的に本質を理解できるモノが欲しい。

※ここでの “procesar” は、“captar” や “asimilar” で置き換えてもいいです。

 

アイディア4. 
 メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章:“Una que no me exija poner mucha atención en el contenido para entender.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:内容をよ〜く見なくても理解できるモノが欲しい。

 

アイディア5. 
 メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que me llegue a simple vista.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:パッと見て届くモノが欲しい。

 ※ ちょっとブロークンなトーンです。人によっては否定するでしょう。でも、この表現、ググったり、RAEを見る前に思いついた表現です。

 

アイディア6. 
メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que se conecte instantáneamente con los cinco sentidos.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:瞬時に五感につながるモノが欲しい。

“una que haga conexión (clic)” と言ってもいいです。この表現、私は気に入ってます。 ただ、これも賛否両論分かれるところだと思います。

※もっと遊び心を加えるなら、“una que me permita sincronizar con ella a primera vista" と言う表現も思いつきます。

 

アイディア7. 
メインの文章:“Lo que quiero es una presentación intuitiva.”

補足の文章: “Una que no me obligue a razonar cuál es tu intención.”

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メインの文章:直感的なプレゼンが欲しい。

補足の文章:あなたの意図が何なのか考えなくてもいいモノが欲しい。

※ “razonar” の代わりに、“pensar,” “descodificar”, “inferir”, “deducir”, “adivinar” も言いたいニュアンスに応じて入れ替えるといいです。

※この言い方は、選ぶ単語や話すときのトーンによってかなりキツく聞こえるので注意してください。

 

まとめ

この記事があなたの参考になれば幸いです。

 

もっとスペイン語が上手になりたい。

 

キューバに住み込みでダンス修行したい!

 

以上、スペイン語と日本語の現役プロ通訳、タクミでした。